14試合を終え、チームで唯一のフルタイム出場。疲れなど、ない。コンディションはむしろ最高潮。横浜FCのDFンドカ・ボニフェイスは「今一番、良くなっています。スピードとかキレはかなり出てきている感じです」と頼もしい。

　３－４－２－１の３バック中央で、ハードに、クレバーにプレーする。最終ラインの要は、３連敗で５戦未勝利の現状に、勝利を欲している。

「結果がすべてなので。勝っていないと、いろんな意見が出てくる。だから、何よりも勝つことが大事。本当に、何よりもチームとして結果を出す、勝負にこだわる、ゴールを守る。そういう原点に戻る必要がある」

　白星が遠ざかるが、どちらに転ぶか分からないような紙一重の勝負が続いている。勝利していてもおかしくないゲームもあった。ただ、ンドカは内容自体にあまり興味がない。とにかく勝点３。そこにフォーカスして「ボールにくらいついていく、一人ひとりが１対１で負けない、そういうところ」と強調する。

　今季で在籍３年目。J１最下位に終わりJ２降格を余儀なくされた２年前を知るメンバーの１人だ。当時を踏まえて、今季のチームはJ１で戦えているのか。ンドカは「やれると思います」と即答。次のように続ける。

「（23年は）僕が来た１年目で、選手の特長とかあまり分かっていないなかで、ずっと勝てない状況が続いていたっていうのがありますけど、今は選手の特長とかある程度、分かるし、そのなかで自分の特長も出せる自信はあります」
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　チームは14試合を消化して、３勝３分け８敗の勝点12で降格圏の19位。奇しくも２年前も14節終了時で同じ戦績だ。「今現在、苦しい状況ですけど、最初からそんなに簡単にいくとは思っていない」という29歳は、その言葉に力をこめる。

「苦しんで、苦しんで、自分たちが最後、残留を手にする。簡単にここでぽんぽんと勝っているのが理想ですけど、そんなにうまくいくとも思っていない。さっきも言ったように、１試合、１試合を戦って、最後に残留を、目的を手にするのは自分たちだと思っている。それをやるだけです」

　いくら下位に低迷しようとも、何一つあきらめていない。不屈の精神で、最後まで戦い抜く覚悟だ。

取材・文●広島由寛（サッカーダイジェストWeb編集部）

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