2025年３月23日、この日は日本代表練習ではなくRB大宮アルディージャと水戸ホーリーホックの取材をした。大宮のDFでU-20日本代表でもある逸材・市原吏音に“ある事”を訊きたかったからだ。

　大宮がオリオラ・サンデーと杉本健勇のゴールで水戸に２-０と勝利したあと、ミックスゾーンで囲まれた市原はこの試合に関する事象についていくつか答えた。自分が訊きたかったのは違う内容だったのでしばらく待つことにする。そして記者団からの問いかけがひととおり終わったのを確認して、次のように質問した。

「A代表がワールドカップ出場を決めたましたが、それによって意識の変化はありますか？」

　すると、市原は「いや、別に」と反応する。

「早かれ遅かれワールドカップ出場は決まると確信していたので、僕は今いる場所でできることをやるだけです。滑り込みでも選ばれるように、焦らず今いる場所でしっかりやってという感じです。（ワールドカップは）来年で時間はないですけど、チャンスはあると考えているので、そこは常に意識しながらやりたいです」
 

　先のU-20アジア杯で日本代表のキャプテンを担った市原は現在19歳。来年開催される北中米ワールドカップのメンバーに選ばれれば、21歳でカタール・ワールドカップに出場した久保建英よりも若い年齢で参戦となる。個人的にそこも気になったので、「久保選手が市原選手と同じくらいの年齢でワールドカップのメンバーに選出されたことは頭にちらつきますか」と訊いてみる。

　市原は少し考えながら答えてくれた。

「怪我人が多いじゃないですか、（日本代表の）最終ラインは。だから自分もチャンスをもらえるんじゃないかという気持ちはあります。今怪我人がいるからという考え方になってしまっていますが、実力で上回らないと。『怪我人が多くてワンチャンスある』と思っている自分はまだまだだなと」

　実力もパーソナリティも十分に映る市原だが、果たして。個人的には、近い将来、日本代表に招集されると信じている。

取材・文●白鳥和洋（サッカーダイジェストTV編集長）

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