2025年３月23日、J２リーグ第６節、RB大宮アルディージャが水戸ホーリーホックをホームに迎えた。前節まで４勝１敗で２位の大宮は連敗を避けるべく、立ち上がりからアグレッシブに仕掛けようとするが、アウェーチームのプレスにやや苦戦。攻め込まれるシーンもあった。

　それでも大宮は最初に決定機を掴む。８分、豊川雄太、杉本健勇らのチャンスメイクから最後は泉柊椰が至近距離からシュート。これはGKに防がれたものの、緊張から解放された感はあった。

　プレーにかたさが減り、３-４-２-１システムでボランチコンビを組む小島幹敏とアルトゥール・シルバが巧みにボールを捌きつつ、チャンスと見るや両シャドーの豊川や杉本らに縦パスを入れる。そうやって徐々に圧を強めた大宮は、水戸の攻撃を跳ね返しながら虎視眈々とゴールを狙った。

　ただ、単調なミスも散見され、完全にペースを握るまでには至らない。水戸の攻撃に対し後手に回るケースもあり、15分以降はほぼ互角の展開だった。

　最後尾から組み立て、繋いで崩す意図はある大宮も、スムーズにパスが通らない。選手それぞれの立ち位置や裏抜けの動きが少ないからだろう。前半、水戸の陣形を明らかに崩すようなアタックは数える程度だった。
 

　前半の終盤に猛攻を仕掛けた大宮も結局はゴールを奪えず、前半を０-０で終えている。42分の杉本のボレーシュート、43分の藤井一志のシュートを含め決定機をひとつでも決めていれば、という前半でもあった。

　後半、大宮の不確定要素のひとつになっていたのが左ウイングバックの泉だ。とりわけ守備が中途半端で、文字通りプレーが定まらなかった。彼のところからピンチになるケースが目立ち、そこからチームのバランスが崩れる気配もあった。

　それでも小島の冷静なゲームメイクもあり、流れを水戸に持って行かれなかった大宮はボールを握るサッカーを粘り強く展開。65分には泉の仕掛けからA・シルバがシュートと、水戸のゴールに迫った。

　A・シルバの負傷交代というアクシデントもあった大宮だが、80分、待望の先制点を奪う。DFガブリエウのロングフィードに抜け出したオリオラ・サンデーがGKとの１対１を制したのだ。

　そして83分には、GKが弾いたボールをダイレクトで沈めた杉本の、観衆の度肝を抜くスーパーショットで２-０とリードを広げる。このまま勝点３を手にした大宮は結局、５勝１敗として２位をキープし首位の千葉に食らいつく形となった。ちなみに、水戸は１勝３分２敗で14位に沈んでいる。

取材・文●白鳥和洋（サッカーダイジェストTV編集長）

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