2025年３月13日、北中米ワールドカップのアジア最終予選（３月20日のバーレーン戦、同25日のサウジアラビア戦）を戦う日本代表のメンバーが発表された。昨年11月まで27名だった招集人数が25名（追加招集２名の可能性も）に減り、選手の顔ぶれではFWの上田綺世とDFの伊藤洋輝が復帰した以外に大きな変更はなく、いわばノーサプライズだった。

　なぜニューフェイスを呼ばないのか、代わり映えしない面子だとか、批判的な意見もあるだろう。しかし、現時点で何も決まっていない。要するにワールドカップ出場が確定していないわけだから、メンバーの大幅入れ替えがなくてむしろ当然である。

　おそらく来年のワールドカップに向けてコアメンバーは確定しているはずで、今回の連戦でワールドカップ出場を決めた場合、森保一監督が新戦力をテストするのは６月以降。三笘薫や久保建英、遠藤航、板倉滉ら“チームの骨格”にどう肉付けするかはまだ先の話である。

　となると、３月は見慣れたメンバーでの戦いになるから話題性は乏しい。アジア最終予選で首位を独走しているからドキドキ感はないし、もしかすると日本代表戦がいつやるかさえ興味がない方もいるだろう。

　しかも、MLB（メジャーリーグベースボール）の開幕戦、ロサンゼルス・ドジャースとシカゴ・カブスの一戦が３月18、19日に東京ドームで開催される。世間的にワールドカップ出場が決定的なサッカー日本代表の試合と、大谷翔平、今永昇太など日本人選手が出場予定のメジャーリーグ開幕戦ではどちらが盛り上がるかは愚問だ。

　ここから３月19日まで“メジャーリーグ一色”になっても不思議はない。ワイドショーなどがドジャースの日本到着を特集している映像を見ると、きっと“MLBフィーバー”になるだろうと容易に予測できる。

　森保ジャパンがドジャース大谷らメジャーリーグに呑み込まれると、そんな表現も大袈裟ではないか。ただ、だからといって、ネガティブな感情を抱いているわけではない。森保監督の選出にほぼ異論はないし、今回、野球人気とサッカー人気を比べる必要もない。森保監督も次のように言っている。

「私は小学５年生までプロ野球選手になるのが夢だったという過去もあり、野球が盛り上がるのは嬉しいです。野球だけではなく、色んなスポーツが盛り上がり、スポーツで社会貢献できればと思って日頃活動しています。メジャーリーグの開幕戦を楽しみにしています」

文●白鳥和洋（サッカーダイジェストTV編集長）

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