2025年２月20日に開催されたU-20アジアカップ・グループステージ第３節、日本代表は韓国代表と対戦。勝てば１位通過が決まる一戦で、船越ジャパンは28分に神田奏真のゴールで先制も、後半のアディショナルタイムに追いつかれて残念ながら２位抜けとなった。

　この日の日本は試合運びが明らかに稚拙だった。１-０とリードしながらも最終盤になぜ追加点を狙ったのか。少し前がかりになったせいでチーム全体のバランスが崩れ、韓国にスペースを与えてゴールを許す羽目になった展開を考えれば、日本は自滅したと言える。

　そもそも、今大会の日本には怖さがない。石井久継と高橋仁胡のコンビネーションなど技術的な上手さはあるものの、相手にプレッシャーをかけるような迫力が攻守両面でないのだ。

　それは韓国戦だけではない。タイとの初戦、シリアとの２戦目も日本は守備面で脆さを露呈。３-０で勝ったタイ戦は点差ほどの内容ではなくむしろ相手に攻め込まれるシーンが目に付いたし、続くシリア戦も複数のピンチがあり負けなくて良かったというゲームだった。消化不良の韓国戦を含め、正直、日本は強さを見せていない。

【動画】石井久継のクロスに最後詰めたのは神田奏真！

　韓国戦で光った中島洋太朗のゲームメイクは希望も、イランとの準々決勝に向けてポジティブな材料は少ない。グループステージの３試合から判断する限り、これといった戦術は見当たらず（特に攻撃面）、だからこそ不安が先行する。

　もっとも、上位４か国にU-20ワールドカップの出場権が与えられる今大会、求められるのは内容よりも結果だ。ここまでの過程はさておき、イランに勝てばネガティブな空気は払拭できる。戦術は云々ではなく、まずは個人のところで絶対に負けないこと。当たり前の話だが、そういう部分こそイラン戦では重要になる。

文●白鳥和洋（サッカーダイジェストTV編集長）

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