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J2で培ってきた岡山の“耐えられる力”。開幕戦でJ1初勝利。木山隆之監督は平然と言う「今日も平常通りでした」

カテゴリ:Jリーグ

寺田弘幸

2025年02月16日

未知の世界に飛び出し、大きな自信を得る一歩を踏み出す

先制弾の田上。CKから確実にダイレクトシュートを叩き込んだ。(C)J.LEAGUE

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 満員のJFE晴れの国スタジアムで迎えた岡山のJ1ファーストマッチは、京都の強力3トップの圧力とハイプレスの強度を体感することから始まった。

 初めてJ1の試合に出場した鈴木喜丈は、「J1ってやっぱりこういうもんかと感じました」と振り返ったが、慌てふためいたわけではなかった。

 岡山の守備陣は個の能力が高い相手にもチャレンジ&カバーができる距離間を保って集中して対応し、CKが連続しても各々がマーカーをしっかり捕まえ、セカンドボールにもみんなで集中して反応しゴールを守っていく。

 鈴木はこう続けた。

「全体的に外国人選手のパワーに押された部分があって、(マッチアップした)トゥーリオ選手は速くて巧さもあった。背後を常に狙ってくるんで対応が最初は難しかったですけど、うまくセンターバックの3人で協力して守れたと思います。あの時間帯を全員で何とかゼロで乗り切って、セットプレーから点を取れて自分たちの流れになった。良い試合運びができたかなと思います」

 最初の15分を守り抜いた、研ぎ澄まされた集中力やボールへの執着心は、ゴールにもつながった。相手の間隙を突いて最初のCKを獲得すると、チームとしてうまく田上大地をフリーにして得点に結びつけている。

 曺貴裁監督は試合を振り返り、「セカンドボールをロストして、やらずもがなのコーナーキックを与えてしまったし、自分たちにあれだけあったコーナーキックを相手はしっかりと止めて、ウチは一発目でやられてしまうっていうのは、ある意味でJ1慣れしている危機感のなさがあるのかもしれない。その辺は話しているつもりですけど、もう一度選手と共有していかないと勝利には絶対にいけないなと痛感しました」と語っていた。

 岡山の集中力と執着心は試合の最後まで途切れなかった。2点をリードして迎えたラスト15分は、京都がサイドに人数をかけて突破を試みたが、最後のところは自由にやらせず、打たれたシュートは全てスベンド・ブローダーセンの守備範囲内に飛ばせ、岡山はJ1での初勝利を初完封で飾ってみせた。
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 岡山の耐えられる力は、これまでJ2で培ってきた力だ。木山隆之監督も平然と言う。

「J2の時からそういう力はあった。J1になると押し切られることも出てくると思うんで、できるだけそういう時間は減らしたいけど、押し込まれてもしっかり守って粘り強くやれば、自分たちの流れに持ってこれる。そこには自信があるし、今日も平常通りでした」

 木山監督の言う「平常通り」とは、どういうことか。新加入選手の立田悠悟は、こう言葉に表わす。

「今日、コーナーキックを跳ね返した後に、岡山の選手が6人くらいボールにアタックに行ったシーンがあった。それで結果として藤田選手がブロックしたんですけど、このチームはそれをベースとしてできるチームなんです。だから堅いんだなと思いました」

 そして、立田は大きなやりがいを感じながら今後を見据えていた。

「このチームは全員がチームのために走って身体を張れるチーム。僕もそのチームでやる限り、ベースにしていかないといけないですけど、チームとしてやっていこうとすることと、自分がやっていきたいことの心持ちがすごく似ているんで、僕自身『ここでやってやるぞ!』っていう気持ちがすごく強くなっている。これからチームも自分もさらに良くなるようにやっていきたいです」

 これまで培ってきた岡山の堅守は、根底にある献身性はすでにもうみんなに浸透しており、J1の舞台でもそう簡単には揺らがないものになるだろう。未知の世界に飛び出した岡山は、大きな自信を得る一歩を踏み出した。

取材・文●寺田弘幸

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