来季はレッドブルが買収した大宮にも期待したいね
Jリーグは今季の全日程が終了。J1は神戸が連覇を達成し、2位に広島、3位は町田と続いた。毎年恒例の「Jリーグアウォーズ」も行なわれ、J1のMVPには神戸の武藤が選出された。
J1の優勝争いは最終節までもつれる大混戦に。それを制した神戸は、初優勝した昨年とは異なりACLEも戦い、天皇杯も制すなどタイトな日程のなかで、しっかりと最後まで走り抜いたね。大黒柱の大迫が得点数を昨季の22から11に減らしたけど、武藤が13点、今季から加入した宮代が11点を挙げた。
アシストも多かった武藤のMVPに異論はないけど、攻撃のバリエーションを増やした点で宮代の活躍はチームが優勝できた大きな要因の一つだと思う。連覇で新しい時代を作った感じだ。今後は世代交代がポイントになるだろう。
2位の広島と3位の町田は、シーズン終盤の失速が痛かった。土壇場の勝負強さで、神戸に及ばなかった。町田は、黒田監督がチームをよくまとめて、J1初挑戦ながらシーズン途中で首位に立つなどリーグを席巻し、見事な戦いぶりだった。
ただ、仮に優勝したとしたらMVPで誰を選べばよかったのか、僕は迷ってしまう。親会社の豊富な資金力を活かして、たくさんの選手を補強したけど、絶対的な存在はいなかったように思う。
町田も凄かったけど、個人的にはヴェルディの6位の方が驚きは大きかった。町田はJ1未経験だったとはいえ、選手層は厚い。それに対し、ヴェルディは昨季のJ1昇格プレーオフをギリギリで勝ち上がったうえに、予算が少ないのか、シーズンオフに目立った補強はなく、若手主体の陣容だった。
正直、16年ぶりのJ1では苦しむと予想していたけど、城福監督がチームをよく作り上げた。「Jリーグアウォーズ」で、優秀監督賞には広島のスキッベ監督が選ばれた。でも、戦力を考えれば、城福監督はもっと高く評価されて良いはずだ。
【PHOTO】Jリーグアウォーズのレッドカーペットに華やかな衣装で登場した選手を特集!
J1の優勝争いは最終節までもつれる大混戦に。それを制した神戸は、初優勝した昨年とは異なりACLEも戦い、天皇杯も制すなどタイトな日程のなかで、しっかりと最後まで走り抜いたね。大黒柱の大迫が得点数を昨季の22から11に減らしたけど、武藤が13点、今季から加入した宮代が11点を挙げた。
アシストも多かった武藤のMVPに異論はないけど、攻撃のバリエーションを増やした点で宮代の活躍はチームが優勝できた大きな要因の一つだと思う。連覇で新しい時代を作った感じだ。今後は世代交代がポイントになるだろう。
2位の広島と3位の町田は、シーズン終盤の失速が痛かった。土壇場の勝負強さで、神戸に及ばなかった。町田は、黒田監督がチームをよくまとめて、J1初挑戦ながらシーズン途中で首位に立つなどリーグを席巻し、見事な戦いぶりだった。
ただ、仮に優勝したとしたらMVPで誰を選べばよかったのか、僕は迷ってしまう。親会社の豊富な資金力を活かして、たくさんの選手を補強したけど、絶対的な存在はいなかったように思う。
町田も凄かったけど、個人的にはヴェルディの6位の方が驚きは大きかった。町田はJ1未経験だったとはいえ、選手層は厚い。それに対し、ヴェルディは昨季のJ1昇格プレーオフをギリギリで勝ち上がったうえに、予算が少ないのか、シーズンオフに目立った補強はなく、若手主体の陣容だった。
正直、16年ぶりのJ1では苦しむと予想していたけど、城福監督がチームをよく作り上げた。「Jリーグアウォーズ」で、優秀監督賞には広島のスキッベ監督が選ばれた。でも、戦力を考えれば、城福監督はもっと高く評価されて良いはずだ。
【PHOTO】Jリーグアウォーズのレッドカーペットに華やかな衣装で登場した選手を特集!
活きの良い選手が躍動する攻撃的なサッカーは魅力的だった。来季に向けては、おそらく資金力の豊富なチームから主力選手にオファーがあると思う。引き抜かれたとして、編成を含めて、どう戦っていくのかは見ものだね。
一方、「Jリーグアウォーズ」で気になったのは、ベストイレブンの顔ぶれだ。11人中5人が30代で、現日本代表は広島のキーパー大迫のみ。大迫以外にも今年、日本代表に選出されたJリーガーはいたけど受賞はならず、ベテランの牙城を崩せなかった印象だ。
社会からの関心が低かった点も残念だった。一般のニュースではそれほど大きく報じられなかったように感じた。川崎の山田、ヴェルディの木村、湘南の福田や鈴木といった将来のスターになりえる選手も出てきているし、海外のクラブに移籍する前に若手がどんどんベストイレブンに入るようなリーグになってほしい。
来季に向けて期待したいのは、J3で優勝してJ2に昇格する大宮だ。世界的に有名なレッドブルグループの買収によって、どのような旋風を起こしてくれるのか。日本のスポーツ文化に変化をもたらしてくれるかも楽しみだ。
2025年は北中米ワールドカップの前年だ。日本代表はワールドカップ本大会への出場を決めるだろうし、それに伴い森保ジャパンの多くを占める海外クラブ所属選手への注目度が上がるだろう。Jリーガーも負けずに、頑張ってほしいね。
【著者プロフィール】
セルジオ越後(せるじお・えちご)/1945年7月28日生まれ、79歳。ブラジル・サンパウロ出身。日系ブラジル人。ブラジルではコリンチャンスやパウリスタなどでプレー。1972年に来日し、日本では藤和不動産サッカー部(現・湘南ベルマーレ)で活躍した。引退後は「さわやかサッカー教室」で全国を回り、サッカーの普及に努める。現在は解説者として、歯に衣着せぬ物言いで日本サッカーを鋭く斬る。
【記事】平畠啓史チョイス“至極の11人”|鹿島のボランチはプレー強度が高く、本当に頼もしい。MVPは微塵の迷いもなく神戸の牽引車【J1月間ベストイレブン11・12月】
【画像】セルジオ越後、小野伸二、大久保嘉人、中村憲剛ら28名が厳選した「J歴代ベスト11」を一挙公開!
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一方、「Jリーグアウォーズ」で気になったのは、ベストイレブンの顔ぶれだ。11人中5人が30代で、現日本代表は広島のキーパー大迫のみ。大迫以外にも今年、日本代表に選出されたJリーガーはいたけど受賞はならず、ベテランの牙城を崩せなかった印象だ。
社会からの関心が低かった点も残念だった。一般のニュースではそれほど大きく報じられなかったように感じた。川崎の山田、ヴェルディの木村、湘南の福田や鈴木といった将来のスターになりえる選手も出てきているし、海外のクラブに移籍する前に若手がどんどんベストイレブンに入るようなリーグになってほしい。
来季に向けて期待したいのは、J3で優勝してJ2に昇格する大宮だ。世界的に有名なレッドブルグループの買収によって、どのような旋風を起こしてくれるのか。日本のスポーツ文化に変化をもたらしてくれるかも楽しみだ。
2025年は北中米ワールドカップの前年だ。日本代表はワールドカップ本大会への出場を決めるだろうし、それに伴い森保ジャパンの多くを占める海外クラブ所属選手への注目度が上がるだろう。Jリーガーも負けずに、頑張ってほしいね。
【著者プロフィール】
セルジオ越後(せるじお・えちご)/1945年7月28日生まれ、79歳。ブラジル・サンパウロ出身。日系ブラジル人。ブラジルではコリンチャンスやパウリスタなどでプレー。1972年に来日し、日本では藤和不動産サッカー部(現・湘南ベルマーレ)で活躍した。引退後は「さわやかサッカー教室」で全国を回り、サッカーの普及に努める。現在は解説者として、歯に衣着せぬ物言いで日本サッカーを鋭く斬る。
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