10月９日、鹿島アントラーズの中後雅喜新監督がオンライン取材に応じ、抱負を語った。

「身が引き締まる思いでいるので、ちょっと緊張してます」と硬さも見られた指揮官だが、「やっぱりこのクラブで監督、仕事をするという責任の重さは非常に感じてます。精一杯やりたい」と意気込みを口にする。

　監督就任の打診を受けたのは、ランコ・ポポヴィッチ前監督との契約解除が決まった後だったという。

「（ポポヴィッチ監督とは）今シーズン、一緒に戦ってきて、非常に悩みましたけど、やはりやらなければいけないと思いましたし、このクラブを良くするために今回就任させていただきました」

　中後監督は、2018年に東京ヴェルディのアカデミーコーチとして指導者キャリアをスタートさせると、ユースのコーチや監督を歴任し、今季から鹿島のトップチームコーチを務めていた。

　トップチームを率いた経験はないものの、アカデミーで指導し「伝えること」や「言葉の大切さ」を学んできたという。
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　そんな新監督が選手に伝えたいのは、自身の経験だ。

　中後監督は、選手時代にオズワルド・オリヴェイラ監督のもとで二度のリーグ制覇と天皇杯優勝を経験した。

「非常にありがたいことに、そういう経験をさせていただいた。そういうなかで、やっぱり一人ひとりが与えられた役割を100パーセントでやるのが、結果につながると感じていました。さらに、与えられた役割以上のことをしっかりと連係を取りながら、やり続けるからこそ優勝できると、経験したことで感じたことなので、そういうところをしっかりと伝えていけたら」

　鹿島の伝統を継承しながら、これまでの継続と進化を目ざすという。

「（今季は）攻撃的なスタイルを今までやってきましたし、それを引き継ぎながら、どうゴールを多く取って、より得点を奪われないのかが非常に大事になってきます。そこはしっかりと攻守両面でバランスを取れるように、そして勝利に向けてしっかりと戦えるようなスタイルを作っていきたい」

　今季は残すところ６試合となったが、中後スタイルを確立できるか。

取材・文●渡邊裕樹（サッカーダイジェスト編集部）

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