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京都に漂う充実ぶり。「省エネでやる概念はない」曺貴裁監督の下で膨らむ天皇杯制覇への期待

カテゴリ:Jリーグ

本田健介(サッカーダイジェスト)

2024年09月19日

J2の千葉に3-0で快勝

千葉に快勝した京都。充実ぶりを感じるゲーム内容だった。写真:鈴木颯太朗

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[天皇杯・準々決勝]京都 3-0 千葉/8月21日/フクダ電子アリーナ

 天皇杯の準々決勝が9月18日に行なわれ、J1の京都が、J2の千葉を破りベスト4進出を決めた。

 千葉はJ1のFC東京、札幌を破るなど今大会のダークホース的な存在。さらに会場は千葉のホームスタジアム、フクダ電子アリーナとあって、京都にとっては戦いにくい一戦だったとも言えるだろう。

 だが、曺貴裁監督の信条がチームに根付いていたように映る。

「連戦とはいえど、前節のマリノス戦から中4日、この後中3日空くので、ヨーロッパのチャンピオンズリーグに出てる選手から言わせれば、もう笑われるぐらいの感覚だったので、全然連戦っていう形はなかったですし、もちろん3試合連続やる選手も出てくるなかで、今の自分たちにおける一番いいメンバーを出したつもりです。

 連戦だから相手を見て変える、今回は省エネでやるっていうのは僕の中では全く概念がないので、中2日だろうが中3日だろうが、自分たちのその時の全力を出していくっていうのが本当にプロサッカー選手としてチームとして大事だっていう意味では、やりきれないとかやろうとしないみたいなところを選手が封印して今日もやってくれたと思います」

 素晴らしいスルーパスでFWマルコ・トゥーリオのゴールをアシストしたキャプテンのMF川崎颯太も胸を張る。

「相手がかなり気合いを入れてきているのは分かりましたし、平日に千葉のサポーターも駆けつけてくれて、すごく良い雰囲気で試合が始まったからこそ、自分たちのギアを上げて相手以上にエネルギーを持ってやらなくてはいけないという面では自分の縦パス、スルーパスはチームを勢いづかせるポジティブな面だったと思います」

 指揮官が「正確に言うと僕の中では緩みはあったと思っていて、1点目取った後、2点目取った後の時間で、やはりすぐ3点目、3点目を取れるようなプレーで入れなかったことで、相手に隙を与えてしまった場面もあります」と振り返ったように、11分、49分、85分の得点の間隔をより狭め、早く試合を決める必要があったとも言えるのだろう。
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 それでも指揮官は続ける。

「ただ裏を返せば、去年や今年の最初まではその隙を作るまで至らないっていうか、いっぱいいっぱいの感じがあって、勝負に負けてしまうという瞬間を何回も味わったので、そのいっぱいいっぱいになるまで全力でやったことで今そういう余裕が生まれてるっていう風にも言えると思います」

 今季の序盤戦はなかなか勝ち星に恵まれず苦しい時期が続いた。現在も降格圏の18位とは勝点6差の15位と予断を許さないが、8月からの天皇杯を含めた7戦で6勝1敗。

 千葉戦でも川﨑、金子大毅、米本拓司らが支える前線からのプレス強度は高く、攻撃陣にはラファエル・エリアス、原 大智、M・トゥーリオ、豊川雄太ら多彩な人材が並び、CB宮本優太らを中心にクリーンシートで締めた守備陣を含めて充実ぶりが窺える。

 川﨑も「自分のパスもそうですが、ポジティブなプレーが増えていると思いますし、後ろ向きで取られるわけではなく、前向きで取られているからこそ、自分たちのハイプレスを狙えるます。チャレンジできているからこそ成功している部分もあると思います」と話す。

 2002年シーズンに天皇杯を制した経験のある京都は、2022年シーズンはベスト4に進出。ただ準決勝で広島に敗れ、優勝したJ2の甲府がACLを含め、躍進を果たす姿を悔しく見つめていた。

「あの時も残留に必死で、そこまで天皇杯4強を意識できなかった部分もあるので、その分、曺さんも今日のミーティングでタイトルを獲りに行きたいという話をしていましたし、自分たちも残留へ気が抜けないですが、本当にここまで来たんだという気持ちは前回よりあるかなと思います」

 川﨑の言葉にも熱がこもっていた。

 リーグとの並行だが、この勢いで頂点まで駆け登れるか。次に対戦するのは鹿島と神戸の勝者。11月23日に国立で行なわれる決勝へ進めるか。

 ちなみに曺貴裁監督は、試合後会見の最後に「ちょうど今朝がた、(チャンピオンズリーグの)バイエルンと(ディナモ・)ザグレブの試合を見て、うちのチームにいた荻原拓也素晴らしいゴールを決めたっていうのは非常に僕を勇気づけてくれました」と付け加えた。

 これまでの積み重ねを昇華させる意味でも――。京都の大きな挑戦は楽しみだ。

取材・文●本田健介(サッカーダイジェスト編集部)
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