「あえて優劣をつけるなら」ヴィルツとムシアラのどちらが上?ドイツ代表番の見解

カテゴリ:ワールド

マルクス・バーク

2024年08月02日

二大タレントに続くのはパブロビッチ

同じ2003年生まれのヴィルツ(左)とムシアラ。(C)Getty Images

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 ドイツサッカーの未来は明るい。そう確信させる逸材たち「新・黄金世代」(ここではここでは2002~04年生まれの選手をそう定義する)が台頭している。自国開催のEURO2024で活躍したジャマル・ムシアラ、フローリアン・ヴィルツ、昨シーズンのバイエルンでヨズア・キミッヒから定位置を奪ったアレクサンダル・パブロビッチが代表格だ。そのニュージェネレーションの中から、ドイツ人記者がトップ10の格付けを試みた。ムシアラとヴィルツ、どちらが非凡なタレントか?

――◆――◆――

 ヴィルツ(レバークーゼン)とムシアラ(バイエルン)は甲乙つけがたい。例外的でスペシャルな才能を持つふたりは、この02~04年組の中で傑出したビッグタレント。それでもあえて優劣をつけるなら、ヴィルツを個人的なナンバー1に推す。ゴール意識とフィニッシュワークの両面において、ムシアラをわずかに凌駕しているからだ。ふたりはすでにドイツ代表の攻撃を牽引していて、少なくとも30年W杯まで中軸として輝きを放つだろう。

 二大タレントに続くのは、巨大な才能の花を満開にできずにいるユスファ・ムココ(ドルトムント)に代わり、04年世代のトップランナーに躍り出たパブロビッチだ。23-24シーズン途中にバイエルンでトップ昇格を果たすと、正確なパスや豊富な運動量を武器に、多士済々のスター軍団で見事レギュラーの座を掴み取った。今年3月にはドイツ代表初招集(扁桃炎のために辞退)と出世を遂げた。
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 同じバイエルンのユース出身者であるフランス・クレーツィヒも面白い。左足の技術レベルが高く、オーストリアでの武者修行を経て、新シーズンはシュツットガルトで研鑽を積む予定だ。レンタル元のバイエルンで主軸を担える器かどうかはさておき、遠からずハイレベルな舞台で活躍できる才能には違いない。

 ブンデスリーガですでに異彩を放っている選手なら、02年生まれのFWマキシミリアン・バイアー(ホッフェンハイム)、MFロッコ・ライツ(ボルシアMG)、メルリン・レール(フライブルク)、GKノア・アトゥボル(フライブルク)、04年生まれのDFマックス・フィンクグレーフェ(ケルン)も特別な才能の持ち主だ。

 なかでも一番の有望株はアトゥボル。抜群の反射神経を誇り、モダンな守護神らしく足下の安定感もある。それでも10位に格付けしたのは、致命的なミスが散見されるため。フライブルクで着実に実績を重ねるとはいえ、マヌエル・ノイアーやマルク=アンドレ・テア・シュテーゲンの後継者としてはまだ物足りない。ただ、光るものを持っているのは確かだ。

 最後にカリム・アデイェミ(ドルトムント/02年生まれ)の選外について説明しよう。このスピードスターは長期間にわたり、プロとして自身の仕事に真剣に取り組めていない。そう、メンタリティーに疑問符がつくのだ。心の鍛錬なくして大成はありえない。

■ドイツ「新・黄金世代」TOP10
1位 ヴィルツ
2位 ムシアラ
3位 パブロビッチ
4位 バイアー
5位 ライツ
6位 クレーツィヒ
7位 レール
8位 ムココ
9位 フィンクグレーフェ
10位 アトゥボル

文●マルクス・バーク 翻訳●円賀貴子

■著者紹介
マルクス・バーク/地元のドルトムントに太いパイプを持つジャーナリストで、ドイツ第一公共放送の人気スポーツ番組『シュポルトシャウ』(ウェブ版)のドイツ代表番として活躍中。プレミアリーグなどドイツ国外の事情にも明るく、複数のメジャー媒体に寄稿している。

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