カタールで開催されているアジアカップ2023で、グループＡに組み込まれた中国代表はカタール、タジキスタン、レバノンと対戦した。結果は０勝２分け１敗の３位で決勝トーナメント進出を果たせず。同大会のグループステージで敗退するのは13年ぶりで、０勝も無得点もアジアカップ史上初（ただし失点はわずかに１）。中国のファンやメディアは不甲斐ない代表チームに大バッシングを浴びせた。
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　そんななか、批判の矢面に立たされたのがセルビア出身のアレクサンドル・ヤンコビッチ監督だ。2023年２月の就任以来、15試合で指揮を執って４勝４分け７敗という成績で、常に厳しい論調に苛まれてきたが、アジアカップの失敗でさらに風当たりが強くなった。とはいえ、３月22日と26日にはワールドカップ・アジア２次予選（シンガポールとの２連戦）が控えており、このタイミングでの政権交代に慎重な意見があったのも確かだ。

　しかし、現地１月31日にセルビアの地元メディア『Espreso』が「ヤンコビッチが中国サッカー協会から解任を通達された。彼はすでにセルビアに帰国している」と記し、「近日中に正式発表される見込みだ」と報じたから大変だ。この記事を中国国内の『捜狐体育』や『新浪体育』など大手ポータルサイトが紹介。急転直下の展開に、中国国内で波紋を広げている。記事によると「ヤンコビッチはアジアカップで“中国サッカー史上最低”の結果を残し、猛烈な批判に晒されていた。彼のほかセルビア人のスタッフもみな帰国を終えている」という。
 

『新浪体育』は後任の候補として、山東泰山のチェ・ガンヒ監督（韓国国籍）、浙江緑城のジョルディ・ビニャルス監督（スペイン国籍）、成都蓉城のソ・ジョンウォン監督（韓国国籍）のほか、カルロス・ケイロス氏（ポルトガル国籍）、ブランコ・イバンコビッチ氏（クロアチア国籍）、フェリペ・スコラーリ氏（ブラジル国籍）ら名将たちの名を挙げた。そのうえで「中国協会は２月上旬にも監督選定委員会を招集し、新監督人選の絞り込みを行なう予定だ」と、今後の流れに言及している。

　とはいえ目下、代表チームの不振だけでなく、中国サッカー界そのものが激震の最中にある。前代表監督のリ・ティエ氏らが中心となった八百長・汚職スキャンダルが明らかとなり、そのカネにまみれた腐敗ぶりが世界に打電されたからだ。

　はたして国内外を含めた有能な指導者の誰が、あえて過酷なポストに身を置くだろうか。中国サッカー界は文字通り、お先真っ暗の状態である。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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