中国代表ＧＫの緩慢なプレーに議論百出だ。

　現地10月20日、中国超級リーグの第28節が行なわれ、首位の上海海港がホームで北京国安を迎え撃った。勝てば５シーズンぶり２回目のリーグ優勝が決まる可能性があったが、痛恨の１－２敗戦。残り２試合で２位・山東泰山とは５ポイント差もあるため、依然として優勝は確実視されているが、むしろ話題をさらったのは上海海港が先制点を奪われた場面だった。
【動画】中国代表GKの顔駿凌が犯してしまった“まさかの衝撃ミス”をチェック！

　25分、上海海港の中国代表ＧＫ顔駿凌（イェン・ジュンリン）が自陣ゴール前で味方からのバックパスを受ける。パスの出しどころに迷ってもたつくと、猛然とチャージを掛けてきた相手選手の動きに気づかず、そのままボールをゴールに蹴り込まれてしまったのだ。試合は後半にＰＫを奪われてリードを広げられた上海海港。後半アディショナルタイムに１点を返すのが精いっぱいだった。

　まさに大一番での大失態。しかも、顔駿凌は中国代表の正守護神である。国内のファンやメディアは猛烈な批判を展開している。

　スポーツメディア『捜狐体育』は「顔駿凌がワールドクラスの大失態を演じた。安定感抜群だった彼にいったい何が起こったのか。信じられないミスに衝撃が走っている」と論じ、SNSでのファンの厳しい声を紹介。「恥ずかしいぞ！」「これが中国代表のナンバーワンＧＫなのか？」「彼のメンタルが心配だ」「喜劇でしかない」といった調子だ。

　さらに『捜狐体育』は、来る北中米ワールドカップ・アジア２次予選への影響を危惧する。

「（中国代表の）アレクサンダル・ヤンコビッチ監督は顔駿凌を寵愛している。就任からの８試合すべてで顔駿凌を先発に指名しており、第２、第３と言えるＧＫをまるでテストしていないのだ。もし顔駿凌が今回のミスから立ち直れなかったらどうするのか。上海海港が優勝を逃すようなことになれば、大きなショックを受けるだろう。ワールドカップ予選に向けて、ただでさえチーム力に不安を抱えるなかで、中国代表にはＧＫという新たな問題まで浮上してしまった」
 

　11月16日からスタートするアジア２次予選で、中国は韓国、タイ、シンガポールと同居する熾烈なグループを戦う。上位２チームが最終予選に進出するレギュレーションだが、地元メディアでは「韓国が飛び抜けている。実質上は中国とタイが２位を争う」との見方が大勢を占めている。

　はたして予選初戦となるタイ代表との重要なアウェーマッチで、顔駿凌はスタメンを飾るのか。代表チームのエースにして上海海港のチームメイトでもあるFW武磊（ウー・レイ）は、試合後に自身のSNSを更新。「今日の結果については本当に申し訳なく思っています。ミスは誰にでも起こるし、サッカーの一部です。僕たちはチームであり、結果はみんなで背負うものだと思っています」と顔駿凌をかばった。

　そのうえで、「ファンのみなさんの想いは理解できます。批判も仕方がない。でも次の試合ではかならず違う結果を出します。またみなさんが応援してくれることを願ってやみません」とのメッセージを書き綴った。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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