中国の杭州で開催されたアジア競技大会の男子サッカーは、10月７日に決勝が行なわれ、U－23韓国代表がU－22日本代表と対戦。２－１で逆転勝利を収め、史上初の３連覇を達成した。

　開始２分にFW内野航太郎のゴールで先制を許した韓国は、しかし27分にチョン・ウヨンのヘディング弾で追いつく。その後も優位に試合を進め、72分にチョ・ヨンウクが勝ち越し点を奪った。

　金メダルを獲得した韓国の選手たちは、これで兵役が免除となる。今夏にマジョルカからパリ・サンジェルマンへ移籍した“至宝”イ・ガンインもそのひとりだ。

　韓国メディア『FOOTBALLIST』は「いろいろ言われたイ・ガンインのアジア大会はハッピーエンドで、韓国とパリSGの両方が笑った」と見出しを打ち、次のように伝えた。

「イ・ガンインの招集は大会前から話題が多かった。今夏の移籍市場でマヨルカを去ってパリ・サンジェルマンに移籍し、貸し出し時期が不透明になったためだ。ファン・ソンホン監督はパリSGとのコミュニケーション過程で『苦しい』と話し、招集許可を切に待った。イ・ガンインの太ももの負傷まで重なり、大会参加に対する不安感も続いた」

　同メディアは「ファン・ソンホン監督はイ・ガンインの体調を考慮して出場時間を調節し続けた。フルタイムを消化した試合はなく、70分までプレーした韓日戦が最も長くプレーした」とし、万全な状態ではなかったと強調。こう続けている。

【動画】日本が２分で先制も...白熱の日韓戦ハイライト

「冷静に言ってイ・ガンインの活躍自体は目立たなかった。合流時期が遅く、仲間たちと呼吸を合わせることができなかったばかりでなく、負傷回復後にコンディションを引き上げる時間も足りなかった。それでも、生まれながらの天才的なプレーは相変わらずだった。鮮やかなキックとドリブル能力は個人的に大変な瞬間にも発揮された。ウズベキスタン戦のチョン・ウヨンの決勝ゴールもイ・ガンインの正確なロングキックから始まった」

　記事はこう締め括っている。

「紆余曲折の終わりはハッピーエンドだった。韓国は日本を破って金メダルを首にかけた。イ・ガンインは兵役問題が解決し、何の障害もなくヨーロッパでキャリアを続けられることができるようになった。韓国サッカーとパリSG、イ・ガンインいずれも笑える結果に終わったのだ」

　本領を発揮したとは言えなかったとはいえ、天才レフティの招集は、韓国サッカー界にとって大きな意味を持つものになった。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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