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フォーメーションという数字に囚われない。名将グアルディオラの深淵「監督がやっているサッカーの本質を見て欲しい」

カテゴリ:連載・コラム

小宮良之

2023年10月05日

勝つための手段として戦術がある

シティを初のCL制覇に導いたグアルディオラ。(C)Getty Images

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 ジョゼップ・グアルディオラは、今や世界最高の名将と言って憚りがないだろう。

 マンチェスター・シティを率い、とうとうクラブ史上初の欧州王者に押し上げた。二度目のファイナリストで悲願を成し遂げたわけだが、歴史的だった。FCバルセロナ、バイエルン・ミュンヘンでも数々のタイトルを勝ち取ってきたが、過去の栄光を踏襲しているわけではない。常にサッカーを進化させるような試みで時代をけん引している。

「知識や経験に基づいてはいるものだが、立て続けに決断を下す中で、直感が導いてくれるんだ」
 
 そうグアルディオラは言うが、本質を突いている。直感的なものだからこそ、新しい。

「監督は選手の良さを引き出し、みんなで何かを成し遂げるのが仕事と言える。私も、そこに喜びを見いだす。選手たちやスタッフがどんどん良くなっていくような、居心地の良い環境を作り出したい。もちろん、切り盛りのところで間違いが生じることはあるかもしれない。そのとき、監督は言い訳を言い募るのは厳禁。もしお金があったら、とか、もしあそこでゴールをしていればな、とか。たら・れば、に意味はない。たしかなアイデアを持って、それを信じて仕事をし続ける。そうすれば直感が働くようになって、自分を行くべき場所へ導いてくれるんだ」

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 グアルディオラの説明はとにかく端的で、無駄がない。それは、彼自身がやるべきことをはっきりと認識しているからだろう。4-3-3だけでなく、3-2-2-3のような布陣も用い、フォーメーションという数字に囚われていない。例えばセンターバックのジョン・ストーンズを偽ボランチに起用しているが、選手の組み合わせを生かしたヒットだった。

 麾下の選手もやるべきことが明確だから、プレーに確信がある。一つの法則に従っているからこそ、選手も撓むように応用もできる。直感を働かせることができるのだ。

 勝つための手段として戦術があって、その仕組みをグアルディオラは落とし込める。もっとも、それはゴールではない。ピッチに立った選手が本能的な閃きによって、プレーを変化させ、戦術は完成するのだ。

「監督が結果の上に立っている、というのは間違いない。自分たちは、勝ったときには良くて、負けたときには悪者になる。でも、まずは監督がやっているサッカーの本質を見て欲しい」

 グアルディオラは言う。世界最高の名将は、戦術に選手を縛らない。過去には「ストライカーとは相性が良くない」と言われたが、昨シーズンはアーリング・ハーランドを生かし切って、得点力を爆発させた。最高の指揮官は、戦術の枠組みから抜け出せる選手を求めるのだろう。そこにサッカーの本質があるからだ。

文●小宮良之

【著者プロフィール】
こみや・よしゆき/1972年、横浜市生まれ。大学在学中にスペインのサラマンカ大に留学。2001年にバルセロナへ渡りジャーナリストに。選手のみならず、サッカーに全てを注ぐ男の生き様を数多く描写する。『選ばれし者への挑戦状 誇り高きフットボール奇論』、『FUTBOL TEATRO ラ・リーガ劇場』(いずれも東邦出版)など多数の書籍を出版。2018年3月に『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューを果たし、2020年12月には新作『氷上のフェニックス』が上梓された。

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