2023年10月４日、13日にカナダ代表と、17日にはチュニジア代表と戦う日本代表のメンバー26人が発表された。９月から変わらず呼ばれたメンバーが21名で、新たに招集されたのが５人だった。

　具体的には、GKの中村航とシュミット、DFの森下、MFの堂安と鎌田が外れ、GKの前川（神戸）と鈴木（シント＝トロイデン）、DFの中山（ハダースフィールド）、MF/FWの南野（モナコ）と旗手（セルティック）が復帰した形だ。

　森保監督曰く、「９月の活動をベースに、諸事情で変えるべき選手は変えて。チームとしても変えなくていいところ、チャレンジするところを考えてメンバー選考した」そうだ。

　９月から思ったよりもメンバーをいじらなかった印象だ。森保監督の発言「世界で勝つために、ワールドカップで優勝するために、自分たちがレベルアップしないといけない。そこが基本の部分」を鵜呑みにするなら、余程のアクシデント（例えば10月の親善試合で大敗、もしくは11月のワールドカップ予選で苦戦）がなければ今後も「９月の活動がベース」になるだろう。

　よって、「コンディション不良」（森保監督）で今回外れた鎌田と堂安については“一時的な離脱”と見るべきで、依然、彼らが森保ジャパンのコアメンバーである事実は変わらない。
 

　さて、今回選ばれた26人をポジション別に分けてみると、GKは当然ながら大迫、前川、鈴木。右サイドバックは菅原、毎熊、橋岡、 センターバックは冨安、板倉、谷口、町田、左サイドバックは伊藤洋、中山、左ウイングは三笘と中村、CFは上田、古橋、前田、浅野、右ウイングは伊東とここまではスムーズに予想できる。

　悩むのは中盤センターだ。仮に４-２-３-１システムなら、２ボランチは遠藤、守田、伊藤敦、田中で、トップ下が久保、南野、旗手か。４-１-４-１システムならアンカーは遠藤と守田、インサイドハーフは久保、南野、旗手、伊藤敦、田中か。ただ、久保は右ウイング、南野も「トップ、ウイングもできる」（森保監督）など、複数のポジションをこなす選手が多数いるので、予想が困難だ。

　予想困難であれば相手に対策されにくいと捉えることもできる。その意味で、評価に値するメンバー構成ではないだろうか。３月、６月、９月シリーズを経て、森保ジャパンには「３バック」という手札もある。中村航の怪我などもありGKがやや流動的なのは気がかりだが、全体の顔ぶれに関して悪い印象はない。

　最も注目したいのは久保の起用法だ。レアル・ソシエダでもはや異次元のレベルにある彼をどこで、どのタイミングで使うか。４-２-３-１なら２列目で伊東、久保、三笘のトリオを、４-１-４-１なら２列目で伊東、久保、旗手、三笘のカルテットをスタメンで見ることができるかもしれない。

　いずれにしても、日程の都合（今回の連戦では片方の試合でスタメン、もう片方のゲームでベンチスタートはありそう）やアクシデント以外で今の久保をベンチに置く理由はない。

文●白鳥和洋（サッカーダイジェストTV編集長）


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