ベルギーの地でもゴールラッシュをやってのけた。

　現地９月12日、日本代表は中立地のベルギー・ヘンクでトルコ代表とのフレンドリーマッチに臨んだ。３日前のドイツ戦からスタメン10人を入れ替える布陣ながら、フレッシュなメンバーが攻守に躍動。伊藤、中村×２、そして伊東がゴールを挙げて、４－２の快勝を収めた。

　トルコ代表を率いるドイツ出身のシュテファン・クンツ監督は「前半は本当に酷かった。日本は裏を狙ってくるから気をつけるようにと選手たちに指示していたが、彼らのトランジションは凄まじく、暴力的でさえあった」と回顧。そのうえで「個人のミスもあったし、何よりフィジカル面で日本に太刀打ちできなかった」と振り返った。

　一方で０－３から２点を返し、その後も攻勢に転じた点には高評価を与えた。「我々もさまざまなテストを試みたなかで、１点差に詰め寄って追いつくチャンスもあった。あの時間帯は嬉しい収穫になったよ」と手応えを口にし、「またいろんな新たな発見があった。負ければ悔しいが、そこからしっかり教訓を学ばなければならないし、それができるチームだと私は確信している」とコメントした。

　そして、「我々は日本と同じレベルにはない。彼らは明らかに我々より良いフットボールをしていた」とあらためて森保ジャパンに感服。最後は「代表のユニホームを着たなら100％で全力を出さなければならない。今日も懸命に走っていない選手がいた。答えはインタビュールームになどない。ピッチの中央にあるんだ」と意味深な言葉で選手たちに注文をつけた。

　日本戦の３日前に行なわれたEURO2024予選で、トルコはホーム開催ながら格下のアルメニアと１－１で引き分けた。この失態を受けてサポーターから批判が殺到し、クンツ監督の解任を求める動きが活発化。日本戦では大挙して押し寄せたトルコ・サポーターが「クンツ辞めろ！」「家へ帰れ」とチャントで抗議を続け、ブーイングも頻繁に巻き起こっていた。
 

　トルコ・サッカー協会のメーメト・ビュユケシ会長は日本戦のキックオフ直前に、「あらためて協会内で話し合ったが、クンツ監督への信頼に変化はない。彼は今後も指揮を執り続ける」と異例の声明を発表したが、火に油を注ぐ格好となったようだ。

　クンツ監督は自身に浴びせられる非難に対して、「彼らが何を問題視しているのかは分かっている。結果が出なければ監督に疑問符がつくのは致し方ないだろう。ただ、私はチームと20試合を戦ってきて５回しか負けていない。しかもその相手はいずれも格上ばかりだ。我々が取り組むべき問題は他にある」と話すにとどめた。

　現在EURO予選のグループＤで２位につけるトルコは、次節（10月13日／アウェー）に同勝点で１位のクロアチアと雌雄を決する。ここで敗れるようだと、クンツ政権の存続はかなり厳しい状況に追い込まれるだろう。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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