ドイツ戦からスタメン10人を入れ替えて臨んだトルコ戦（結果は日本が４−２で勝利）で先制点を叩き込んだのは、森保ジャパンで初先発を飾った伊藤敦樹だった。15分、堂安律との連係から左足で決めたミドルはひと言で「スーパー」。森保一監督の期待に結果で応えたと言えるだろう。

　正直、試合自体はドイツ戦ほどのクオリティが感じられず、日本のパフォーマンスにも物足りなさがあった。ただ、個人に目を移せば、伊藤敦は４-２-３-１システムのボランチとして遠藤航と交代する64分までまずまず機能していた。今後も戦力として使えることを証明したのではないか。

　同じくトルコ戦で初スタメンだった毎熊晟矢も、中村敬斗の２点目を計算し尽くされたクロスでアシストするなど、持ち前の攻撃力を示した。やや軽い守備があったとはいえ、決して悪い印象は残していない。前半だけで交代したものの、及第点を与えられる働きに映った。

　ドイツ戦を含め国内組では残念ながら森下龍矢が唯一出場チャンスに恵まれなかったが、この日の伊藤敦と毎熊のパフォーマンスは、”Jリーガーの希望”になるはずだ。
 

　招集メンバーのメインが欧州組なのは今後も変わらないだろう。それでも、トルコ戦での伊藤敦や毎熊、さらにドイツ戦での大迫の奮闘はJリーグに明るい光を照らすはずである。

　そういえば、森保監督は今回のメンバー発表の席で次のようなコメントしていた。

「日本代表の選手は全員がJリーグ経由で世界に羽ばたいている選手なので、Jリーグ、日本の育成を経ていることは皆さんと共有したい」

　Jリーグの存在価値を示すうえで、トルコ戦での伊藤敦、毎熊の活躍は有意義なものだった。

文●白鳥和洋（サッカーダイジェストTV編集長）


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