【ビッグクラブの回顧録】“あの時”のユナイテッドを振り返る vol.4~1993-94シーズン ~

カテゴリ:メガクラブ

サッカーダイジェストWeb編集部

2016年01月25日

クラブ史上初の二冠達成! イングランド最強のクラブへ――。

開幕前に当時としては破格の移籍金でユナイテッドへ移籍してきたキーン。闘争心剥き出しのスタイルでチームを鼓舞するなど、主に精神面でチームの勝利に貢献した。 (C) Getty Images

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圧倒的な存在感で他を寄せつけなかったカントナ。ユナイテッド復活を印象づけるシーズンダブル達成の最大の功労者だ。 (C) Getty Images

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 92-93シーズンにプレミアリーグ初代王者に輝いたユナイテッドは、ディフェンディング・チャンピオンとして、93-94シーズンに臨んだ。
 
 開幕前には人員整理を敢行し、アレックス・ファーガソンの息子で、故障続きだったダレン・ファーガソンをウォルバーハンプトンに放出し、新たに中盤にはノッティンガム・Fからアイルランド人MFのロイ・キーンを当時プレミアリーグ史上最高額375万ポンド(約6億3750万円)で補填した。
 
 キーンは中盤の底での闘争心溢れる守備で抜群の安定感をもたらし、あっという間にチームにフィットした。その効果もあり、ユナイテッドはシーズン序盤のアーセナル戦(9月19日)から8連勝を含む22戦無敗をキープした。
 
 完全に勢いに乗ったユナイテッドは、4節に奪還した首位の座を最後まで明け渡すことなく、圧倒的な力強さでリーグ制した。
 
 さらにFAカップも順調に勝ち進み、迎えたチェルシーとの決勝では、カントナの2ゴールを含む4-0の大差でライバルを一蹴し、ユナイテッドはクラブ史上初の二冠を達成した。
 
 アストン・ビラに敗れたもののリーグカップ(1-3)でも決勝まで勝ち進み、三冠の可能性もあったが、このシーズンの結果は、ユナイテッドが名実ともにイングランド最強のクラブへと成長したと証明するのに十分なものだった。
 
 リーグ優勝後にファーガソンが「史上最強のユナイテッドだ」と満足感を口にしたこのチームの中心にいたのは、エリック・カントナだ。
 
 ファンから「キング」と呼ばれるようになっていたカントナは、このシーズンから固定背番号制度(※それまでは試合ごとに背番号は異なっていた)がプレミアに導入され、ジョージ・ベストらが背負ってきたユナイテッドの伝統的な背番号7のユニホームを着用した。
 
 クラブの大きな期待を背負い、初めてフルシーズンにわたってユナイテッドでプレーしたフランス人アタッカーは、トップ下で自由を与えられたことによりゴールを量産。リーグ戦でチームトップの18ゴールを決め、PFA(選手協会)の最優秀選手賞を受賞した。
 
 なお、このシーズンの94年1月20日には、クラブの伝説的名将であるマット・バスビーが、癌のため他界(享年84)した。
 
 46年に監督に就任して以降、50年間にわたり、ユナイテッドでディレクター、会長などを歴任したレジェンドに対し、二冠の達成は最高の手向けとなった。

バスビーが亡くなった翌日には、名将の死を悼む多くのファンがオールド・トラフォードに駆けつけた。 (C) Getty Images

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