久保建英と中村俊輔の特別番組第３弾が実現した。

　あの日から、１年がたった。　
　
　久保建英と中村俊輔。　

　昨夏、２人はフリーキックというテーマのもと、互いの考えに耳を傾けた。自らの経験を伝える俊輔の前で、久保は真っすぐな想いをボールに込めた。
　
　時代を超え、二つの才能が交錯したあの夏から１年後、再会した彼らは再び語り合った。
　
「もう、オーラがありますよね。充実した顔だと思います」
　
　22歳になった久保の姿を前に、俊輔はどこか嬉しそうだった。
　
　2022-23シーズン、久保はレアル・ソシエダで、９得点・６アシストという堂々たる結果でスペインを席巻。複数のメディアでシーズンベストイレブンに選出された。

　スペイン国内の期待の若者から、欧州を代表するアタッカーのひとりへ――。キャリアハイとなったシーズンの随所で見せた技術と思考に、俊輔は耳を傾けた。
　
　久保が見せた、きらびやかなプレーの裏には、稀代のファンタジスタの助言があった。
　
　久保が「２割の力で蹴った」という、キャリア最高と自負するアルメリア戦のゴールは「足の振りの速さとキックの強弱」について俊輔の言葉を受けてのもの。
　
　昨夏のピッチで幾度も試したフリーキックが結実した。６月の日本代表戦でアシストを記録した久保のフリーキックの軌道を、俊輔は「100点満点」と称賛した。

「落ちるボールが蹴られるようになった。すごくありがたい」と言う久保の左足は、今では日本の武器の一つになりつつある。
　
　日に日に成長を見せる久保の背中に、俊輔の言葉が宿っていた。
　
　迎える新たなシーズン、久保は初めての舞台、チャンピオンズリーグへ挑戦する。
　
　「チャンピオンズリーグのアンセムが楽しみ」と目を輝かせる久保に、17年前に同じアンセムを聴いた俊輔がいつかの思い出を語る。来季のCLで２人が注目するクラブから「ベルナルド・シルバ理論」まで――。2023年のサッカー界最高の舞台が、当事者の言葉で紡がれていく。
　
　目覚ましいスピードで欧州サッカーの階段を駆け上がる久保と、指導者となり新たな場所からサッカーを眺める俊輔。一歩先へ足を踏み出した彼らが交わす言葉の端々に、久保の22歳現在地と、初めて挑む欧州最高の舞台が映し出されていた。

放送：７月22日（土）午後5：45～　WOWOWライブにて
出演：中村俊輔（横浜FCコーチ／元日本代表）、久保建英（レアル・ソシエダ／日本代表）
収録日：2023年6月29日
 

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