まさかの移籍報道にミラニスタが怒り狂っている。

　現地時間６月21日、移籍市場のエキスパートである『スカイ・イタリア』のジャンルカ・ディ・マルツィオ記者やファブリツィオ・ロマーノ記者が、ミランに所属するサンドロ・トナーリのニューカッスル移籍の可能性を報道。ミランがニューカッスルから届いた移籍金7000万～8000万ユーロ（約105億円）のビッグオファーに強い反応を示し、この対応を見たトナーリ側も年俸800ユーロ（約12億円）＋ボーナス200万ユーロ（約３億円）の６年契約を受け入れる姿勢を見せているという。

　現在23歳のトナーリは、2020年にブレシアからミランに加入。過去２シーズンは中盤の要として攻守に活躍してきた。さらに子供の頃からのミラニスタで、2021年には完全移籍のために減俸をのむなど、事あるごとにミラン愛を語ってきた。それゆえユニホーム売上もクラブトップを誇る人気者だ。そんな選手があっさりと換金されてしまいそうな状況に、ミラニスタは怒りを隠さない。
 

　移籍報道を伝えるツイッター、さらにたまたま同日にミラン公式ツイッターに投稿されたゴール動画がトナーリの守備きっかけだっただけに、リプ欄が荒れに荒れている。

「狂気の沙汰だ」
「今のオーナーはファンを失望しかさせない」
「トナーリを売るなんて信じられない」
「ファンやめようかな」
「これじゃあ完全な売り手だ」
「トナーリに触るな」
「ショックがでかすぎる」
「メニャン、テオ、トナーリ、レオンはアンタッチャブルであり、何があっても売るべきではない」
「ミランの凋落はここから始まるだろう…」
「何がやりたい？124年の歴史で得たトロフィーまで売るつもりか？」
「マルディーニがいなくなった途端にこれだ」
「マルディーニが去り、ミランのDNAはなくなった」
「やっぱりマルディーニの解任は間違いだった」

　今夏のミランは揉めに揉めている。22-23シーズン終了直後の６月上旬には、テクニカルディレクターのパオロ・マルディーニ、スポーツディレクターのフレデリック・マッサーラを解任。オーナーのジェリー・カルディナーレと補強方針で揉めたのだ。

　過去３年に渡りチーム強化を担ってきた２人の解任を受けて、現在の選手売買はCEOのジョルジョ・フルラーニ、チーフスカウトのジョフレー・モンカダが中心に進められている。彼らはマルディーニと違って、情、愛、勘などに一切左右されず、経営収支重視でビジネスライクに物事を進める。

　マルディーニとマッサーラの解任時からミラニスタが事あるごとに投稿していた「#CardinaleOut」のハッシュタグも、今回の移籍報道でさらに増えている。

　周知の通り、セリエAとプレミアリーグの経済格差はかつてないほど広がっている。売上高もオーナーの資金力も比較にならないほどだ。だからミランとしてもビッグオファーには耳を傾けざるをえないが、ファンとしてはチームの核である人気選手をあっさり売りに出すことに抵抗感はかなり強いようだ。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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