大宮アルディージャVENTUSは、残り１節となったWEリーグで５位につけている。2021年に新設されたチームは、リーグ初年度の21-22シーズンでの９位から順位を大きく上げて、最終盤を迎えた。

　チームの立ち上げから所属して、昨季のリーグ戦全試合に出場、今季も主要プレーヤーとして奮闘しているのが、MF仲田歩夢だ。昨季は主に左サイドハーフを務めたが、今季は右サイドハーフにコンバート。第20節のジェフユナイテッド市原・千葉レディース戦（２－４）では、リーグ戦での自身初得点を含む２ゴールをゲットした。

　攻撃の中心である29歳MFは、６月３日に開催された第21節の三菱重工浦和レッズレディース戦も先発。浦和Lのタイトルがかかる“さいたまダービー”で０－４の大敗を喫し、目の前で優勝を決められた悔しい一戦となったが、試合後にはしっかりとした口調で、新たなポジションへの挑戦を振り返った。

「サイドを長くやってきているけど、右サイドをやることはあまり無くて。ここまでシーズンを通して右をやったことも無かった。右と左が変わるだけでも全然感覚が違って、やりながら掴んでいくところだったので。

　左のような、成功体験というか、積み重ねが無かったので、最初は弱気になってしまう部分もあったけど、シーズンを通じてやるなかで、右での自分のどういうプレーが活きるか、ゴールに近づけるかは、少しずつ掴めてきたところ」

　チームの順位は大幅に上昇。その理由に、選手同士の理解度を挙げる。
 

「昨シーズンは立ち上げで、選手間でも手探りなところもあった。味方の特徴をまだ掴めていなかったり、というところで、なかなか上手くいかないと感じつつやっていたけど、２年目になって、そういうことも無くなってきた。選手同士が分かっているという感覚は１年目よりもあって、大事なところだと思う」

　ただ、浦和LやINAC神戸レオネッサ、日テレ・東京ヴェルディベレーザの“３強”との差が大きい現状に、満足感は無いようだ。

「そこの差は大きいと感じているので。少しでも詰めていけるようなチームに、自分たちがなっていかないといけない。少しずつだけど、勝てるチームになりたい」

　次節はシーズンの最終戦となるホーム開催のマイナビ仙台レディース戦だ。

　仲田は「ホームのNACKで試合ができるのは、すごくプラスに働くと思う。今日もたくさんのファン・サポーターの方が大宮から来てくれて、最後まで諦めずに、一緒に戦ってくれている。そういう方たちのためにも最後、気持ち良く、どんな勝ち方でもいいので、泥臭く戦って勝ち切りたい」と意気込んだ。

取材・文●野口一郎（サッカーダイジェストWeb編集部）

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