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【クラブW杯|取材記者の視点】「これぞ、広島!」という完璧なゲーム運び。Jリーグ王者の意地を世界に示した

カテゴリ:ワールド

小田智史(サッカーダイジェスト)

2015年12月13日

「組織で個を制す」。3-0の快勝は必然だった。

千葉(5番)を中心とする守備陣は、90分間に渡って集中力を維持。途中出場の水本(4番)も"クローザー"の役割を忠実にこなし、無失点で試合を終わらせた。 写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

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 苦しいゲーム展開にも粘り強く耐え、故障者が出ても代役がきっちりと仕事を果たす。今季のJリーグを制した広島のカラーが凝縮された試合だった。

 開幕戦で野津田と柴﨑を怪我で失った広島は、茶島をスタメンに抜擢し、佐藤、森﨑和、ミキッチのベテラン勢も先発に復帰。両ウイングバックを最終ラインに吸収し、5-4-1のブロックを作ってマゼンベの攻撃を迎え撃った。しかし序盤は、アフリカ特有のスピードとフィジカルに押し込まれ、開始15分間で3度の決定機を作られた。ただ、そこで崩れなかったのが大きかった。11分には塩谷が、14分には千葉が相手のシュートをスライディングで間一髪防ぎ、反撃のチャンスを窺う。

 逆に、19分にはカウンターから佐藤がGKと1対1になり、27分にも茶島、柏、佐々木のユニットで相手ゴールを襲撃。サイド攻撃を中心に徐々に攻撃の圧力を強めていき、前半終了間際にセットプレーから待望の先制点を奪った。この一撃は、「耐えられたことから生まれた」(森保監督)もの。そしてその後、今季先制した試合で無敗を誇る広島のペースになったのは必然だった。

 後半、点が欲しいマゼンベは攻撃の圧力を強めてきたが、まさに広島の思うツボである。前に出れば、当然裏にスペースができる。前半で相手の身体能力に免疫ができた広島の選手たちは、冷静にプレッシャーをかわし、次々と裏のスペースを突いていく。連係からサイドを抉って奪った3点目はまさに狙い通りで、堅守速攻でゲームを決定づけるあたりにも、したたかさを感じさせた。

 森保監督は「相手の個の力には脅威を感じた」と言うが、それでも全員攻撃・全員守備を掲げる広島らしく、“組織”でアフリカ王者を制したのだ。

「我々らしく、冷静かつクレバーに戦い、相手の嫌がる守備と攻撃ができた。様々な試練、逆境を乗り越え、タフに戦ってJリーグのタイトルを獲ったことを証明できたと思う」

 クラブ史上初の大会ベスト4進出。エースの佐藤をはじめ、選手たちは「(決勝で)バルセロナとやりたい」と大きなモチベーションをもって今大会に挑んでいる。16日の準決勝の南米王者・リーベル戦は、再び中2日と厳しい試合になるのは間違いない。しかし、“一枚岩”となった今の広島なら、日本王者らしい戦いを見せてくれるはずだ。

【PHOTOハイライト】マゼンベ 0-3 サンフレッチェ広島

取材・文:小田智史(サッカーダイジェスト編集部)
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