［J１第２節］G大阪１－１鳥栖／２月25日／パナスタ

　鳥栖とのホーム開幕戦で絶大な存在感を示したのが移籍後、初先発を飾ったネタ・ラヴィだった。

「鳥栖はマンマークで、強さのあるプレッシャーをかけてくる。その勢いに負けないように、相手のプレスをしっかりと、強さとそして彼の良さでかわしていこうという意味で先発で起用した」

　ダニエル・ポヤトス監督は、アンカーでラヴィを起用したその意図を明かしたが、それに伴ってインサイドハーフにポジションを変えたダワンは、文字通り「黒子」としてチームを支え続けていた。

　基本フォーメーションは４－３－３だが、攻撃時には前線に４枚の選手が並ぶこともあり、中盤を支えるのはラヴィとダワン。

　本来は献身的な動きで危険地帯をケアするのが持ち味のダワンだけに、開始早々の２分には岩崎悠人が供給したクロスがフリーの本田風智に渡ろうとした瞬間、ダワンが寸前で遮断した。

「今季の中盤には動きの自由度が与えられている」（ダワン）。

　ラヴィがアンカーの位置でどっしりと構える一方で、ダワンは時にダブルボランチ気味になってラヴィをフォローしたり、時にはウイングのファン・アラーノとポジションをスイッチして、前線に進出。プレス回避の逃げ口として、サイドの深い位置で空中戦を挑む場面も見せていた。
 

「アラーノと僕の右サイドで、今回の試合に限っては僕もエリア内に入ってゴールを狙う役割も持っていたし、そのなかで強みのヘディングをすることも戦術の中に入っていた」と、対鳥栖を見据えた役割だったことを明かしたダワン。

「相手のインサイドハーフがサイドのほうに出てくるということが分かっていたので、そこにしっかりとプレッシャーがかけられるエネルギッシュな選手を起用したかったということでダワンを選択した」（ポヤトス監督）。

　本職はボランチであるものの、ブラジル時代はCBや右SBでもプレー経験を持ち、昨季のフランクフルト戦でも昌子源（現・鹿島）とともに２CBを構成。チーム屈指のマルチロールは、今季新たにそのプレー面の幅を広げ始めている。

　守備に軸足を置くスタイルではあるが、柏との開幕戦では「攻守両面のセットプレーで高さが効いている」とチームメイトが評するヘディングの強さを活かして、前半にはポスト直撃弾を放ち、後半にはゴール前に進出して一時勝ち越しとなるゴールも奪っている。

　攻撃のセンスは言うまでもないが、局地戦での対人守備でも強さを見せたラヴィだが、懸念材料があるとすれば、不利な体勢におけるスピード対応だろう。黒子に徹することを厭わないダワンのパフォーマンスをスペイン人指揮官は、こう振り返った。

「いつものダワンのポジションではなかったが、しっかりとそこを対応してくれて、彼の努力によってしっかりと良い試合をしてくれた」

　神出鬼没のブラジル人MFはポヤトスガンバの懐刀になる。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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