PK戦を制しベスト8進出の青森山田。エース小湊絆が体現する「理想の10番像」【選手権】

カテゴリ:高校・ユース・その他

金子 徹(サッカーダイジェスト編集部)

2023年01月02日

「自分が前から全力で追っている姿を見て、仲間たちもそれに連動してついてきてくれる」

攻守にわたって躍動し、チームを牽引した小湊。写真:滝川敏之

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[高校選手権3回戦]青森山田 1(4PK2)1 国見/1月2日/等々力
 
 1月2日、等々力陸上競技場で行なわれた青森山田と国見の一戦は、PK戦の末、青森山田が勝利し、ベスト8進出を決めた。
 
 青森山田は前半終了間際に右CKからDF三橋春希がヘッドで合わせ、先制に成功する。しかし、「後半は少し守勢に回ってしまい、国見さんの勢いを復活させてしまった」と正木昌宣監督が語ったように、国見に中盤でセカンドボールを拾われる回数が増えると、後半27分に失点しまう。
 
 80分で決着がつかず突入したPK戦では、「事前合宿からPKに関しては状態が良かった」(正木監督)と、後半アディショナルタイムに投入されたGK鈴木将永が2本ストップ。キッカーは4人全員が成功させ、勝利を収めた。
 
 得点こそなかったが、この試合でチームを牽引したのが青森山田のエースナンバー「10」を背負うFW小湊絆だ。攻撃時は相手DFの裏に巧みに抜け出し、クロスを上げてチャンスを演出すれば、守備時は試合終了の笛が鳴るまで前線からプレスを掛け続けた。
 
 小湊は試合後、前線からのプレスに関して、「(自分の)課題だったので1年間、取り組んできました。自分が前から全力で追っている姿を見て、仲間たちもそれに連動してついてきてくれるので、背中で語れるような10番が自分の理想の10番です」と話す。
 
 近年、青森山田の10番は郷家友太(現・ベガルタ仙台)や檀崎竜孔(現・ブリスベン・ロアーFC/オーストラリア)、武田英寿(現・水戸ホーリーホック)、松木玖生(現・FC東京)などMFの選手が背負ってきた。一方、小湊のポジションはFWだからこそ、チーム戦術であるハイプレスを最前線から体現し、“こいつについて行こう”と思ってもらえるような姿勢を見せる。
 
 また、得点へのこだわりを問われると、「ここに個人タイトルを獲りに来たのではないので、チームのために徹することが一番」とチームの結果を求める。ただ、「自分の特長である推進力やゴール前で仕事をする部分では手応えも感じました。次は(選手権本大会の)3試合目で、さらにフィーリングも合ってくると思うので、このまま続けていけば得点は取れるかなと思っています」と、自身のコンディションが上がってきている様子も語る。
 
「この大きな舞台を楽しまないわけにはいかないので、高校最後の舞台を楽しみたい」と、次の神村学園戦に向けて意気込む背番号10の活躍に注目だ。
 
取材・文●金子 徹(サッカーダイジェスト編集部)
 
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