[高校選手権２回戦] 日体大柏２－０丸岡／12月31日／柏の葉

　勝負を決定づけたのは、途中出場したMF片野拓久（２年）だった。

　総監督の片野慶輝氏を父に持つ２年生MFは、先制点を決めたFW古谷柊介（３年）と代わり、１－０で迎えた後半32分にピッチへ。すると、そのわずか５分後だった。ゴール前の左サイドから鋭く切れ込み、右足を一閃。鮮やかにネットを揺らし、貴重な追加点を奪ったのだ。

「自分が決定づける得点を取ろうという思いで試合に入りました」と冷静に語った片野は、得点シーンをこう振り返った。

「自分の得意な形のカットインからシュートだったので、自信を持って打てました。やっと決められたみたいな。選手権初得点だったので素直に嬉しかったです」

　ゴールを真っ先に伝えたいのは、２つ上の先輩で、柏レイソルのレジェンドOB北嶋秀朗氏の息子・北嶋大地（現・産業能率大学）だという。

「尊敬しています。高校サッカーの舞台に怪我で全然立てなかったので、『自分の分も頑張ってくれ』と先輩から言われて、今１番恩返しできたかなと思います。自分が高１の時に先輩が高３で、負けてしまった時に『お前に託した』と言われました」
 

　そして父からは「ナイスゴールと言われて嬉しかったです。１－０だったので、まずは守備から入って切り替えを早くと言われました」と説明。そのうえで、大舞台で実現した親子共演については、力強くこう答えた。

「非常に嬉しいことですし、全国優勝に向けて一緒に頑張ろうと思っています。昨日、高知対丸岡の試合を見て『お前ならできるから』と言ってもらったことが嬉しくて、心に残っています。

　中学校の頃から父と一緒に全国優勝、県優勝を目ざしてきました。まず県優勝できたので、全国優勝できるように頑張ります」

　片野総監督も「割と良いシュートを打ちましたからね（笑）。あの時間１番、相手も前掛かりになって厳しかったと思うので、よく決めてくれたなと思う」と賛辞を寄せるゴラッソで、確かな爪痕を残した背番号14。再び地元柏で迎え撃つ、飯塚との３回戦での活躍にも注目だ。

取材・文●有園僚真（サッカーダイジェストWeb編集部）

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