応用技にもトライ!ニチバンとJFAが共催するメディカルキャンプで実技を実施

カテゴリ:特集

西森彰

2022年11月28日

受講生はテーピング製品の歴史も学ぶ

テーピング製品の歴史と製造過程を体系的に学んだ受講生たちは実技を行ないました。写真:田中研治(サッカーダイジェスト写真部)

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「SOCCER MEDICAL CAMP」はJYD(JFA Youth & Development Programme)オフィシャルパートナーであるニチバン株式会社と日本サッカー協会の共催で2019年にスタートした次世代のアスレティックトレーナー育成プロジェクトです。

 ここでは8月23日から始まった「第3回 SOCCER MEDICAL CAMP」の3日目と4日目の様子をレポートしていきます。

※本記事は2022年11月10日発売のサッカーダイジェスト本誌から転載。一部修正。

――◆――◆――

「第3回SOCCER MEDICAL CAMP」の3日目は、9月10日(土)、JFA夢フィールドで行なわれました。まず、今回のキャンプをサポートするニチバン株式会社国内事業本部製品開発部の辻泰輝氏によるテーピング製品の歴史と開発・製造過程が紹介されました。

 次いで、日本代表チームでも活躍する前田弘トレーナーによるAT(アスレティックトレーナー)実務に関する講義で気持ちを高揚させます。なでしこジャパンに長く携わる中野江利子トレーナーが座学を担当し、中條智志トレーナーも加わって実技へ。3人のトレーナーは、受講生同士の足関節テーピングをチェックし、応用技もレクチャーしました。

 その後、中條トレーナーによる競技復帰までのリハビリについて講義が行なわれ、最後はロッカールームや、トレーニング、リカバリー施設などJFA夢フィールド内を見学し、この日のカリキュラムは終了しました。多くの受講生は教室へ残り、最終日の研究発表へ向けて、仲間とチームミーティングを行ないました。

 4日目は、サッカー選手の内科的疾患とアンチドーピングについて、土肥美智子先生のオンライン講義が行なわれました。1コマ目は、熱中症と同様に恐ろしい低体温症や、女性アスリートの健康上のリスク「三主徴」などを解説しました。2コマ目では、規定に違反した際にアスリートが被る肉体面、精神面の被害、競技全体への影響の大きさ、無自覚で禁止薬物を摂取してしまう恐ろしさについても言及されました。
 3日目(9月10日)と4日目(9月14日)の講義概要は以下のとおり。

●3日目(9月10日)

「ニチバンの講義」

 ニチバン株式会社国内事業本部製品開発部の辻泰輝氏は、ニチバンにおけるテーピングの歴史、テープの構造、製造工程、種類、特長など動画を交えながら解説しました。受講生たちは、続く実技の中でニチバン製品に触れ、使いやすさを実感していました。
 

講師:辻泰輝(ニチバン株式会社 国内事業本部 製品開発部)


「AT(アスレティックトレーナー)実務に関する講義」

 前田弘トレーナーは、ATの役割が多岐にわたる現状と、それに対応するための幅広い分野でのアップデートが必要と啓蒙しました。日本代表も率いたイビチャ・オシム監督の薫陶を胸に、仕事と向き合い続け、代表チームのトレーナーに指名されたというエピソードは、多くの受講者の胸に響いていました。


講師:前田 弘/JFAアスレティックトレーナー


「テーピング実技」

 ニチバンの「バトルウィン」シリーズを使って、足関節のテーピングを中心に実技指導が行われました。各トレーナーは、日本代表でも用いられるニチバン製品の特性を説きながら、それぞれの長所を使った組み合わせ、教科書以上に早く処置できるテーピングの巻き方なども披露しました。受講生からは「授業と実践の違いを感じた」という声が上がっていました。


ニチバンの「バトルウィン」シリーズの一部


「サッカー選手の外傷・障害(競技復帰までのリハビリ)」

 中條智志トレーナーは、選手の治癒状態に合わせてメニューを進める方法と復帰時期から逆算してメニューをこなしていく方法の違いや、再受傷率と復帰期間のトレードオフの関係などを論じました。また、医学的リハビリからアスレチック的なリハビリへの移行と、取り組む選手のメンタルケアについても触れました。


講師:中條智志/JFAアスレティックトレーナー・フィジオセラピスト

●4日目(9月14日)

「サッカー選手の内科的疾患・アンチドーピング」

 4日目は土肥美智子先生の連続講義となりました。1コマ目の、女性アスリートの怪我につながる「エネルギー不足」「無月経」「骨粗しょう症」の三主徴については、女性を含めた受講生から質問がありました。

 後半では、アスリートがドーピングに手を出してしまう誘惑とスポーツ全体の価値を損なうリスクと、薬の副作用がもたらす身体的、精神的破壊の悲惨さを強調しました。


講師:土肥美智子/日本サッカー協会医学委員会

取材・文●西森彰
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