あの局面でよくぞやってくれた。三笘薫の2点目は鳥肌モノだった【編集長コラム】

カテゴリ:日本代表

白鳥和洋(サッカーダイジェスト)

2022年03月24日

守田から感じ取れた確かなインテリジェンス

この日の主役は2ゴールの三笘。とりわけ2点目は素晴らしいフィニッシュワークだった。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

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 2022年3月24日、アウェーのオーストラリア戦に臨んだ日本は2-0と勝利。7大会連続のワールドカップ本大会出場を決めた。

 試合内容以上に結果が求められる一戦は立ち上がりからヒリヒリするような展開だった。そうなった要因のひとつが、前半におけるオーストラリアの徹底した〝右サイド攻め“。日本の視点で言えば、長友のサイドを狙われているように映ったのだ。決定機こそ作られていないが、それでもヒヤリとしたシーンはいくつもあり、それが緊張感を高める要素になっていた。

 それでも日本が崩れなかったのは中盤3枚(守田、田中、遠藤)の気の利いた振る舞いがあったから。ピンチの芽を首尾よく摘んだ遠藤、攻撃の起点となった田中はもちろん、守田のサポート、ゲームメイクが素晴らしかった。安易にバックパスを選択せず、必ずと言っていいほどベクトルを相手陣内に向けるスタンスから感じられるのは、確かなインテリジェンスだ。

 前に行けない局面ではあえてスローダウンし味方にボールを預け、少しでもスペースがあれば〝チョン“とアウトサイドの縦パスで局面を前に進める。目立たないが、こうしたちょっとした味付けがチームメイトを大いに助けていた。さらに言えば、後半アディショナルタイムのロングボールを蹴りそうで蹴らず、優しいパスでチームを落ち着かせたシーンも見逃せなかった。
 
 ただ、この日の主役はなんといっても三笘だ。89分に守田、山根がつないだボールを抜群の走り込みから蹴り込むと、後半アディショナルタイムには〝ザ・三笘“と言うべきドリブル突破から、これまた三笘らしいフィニッシュワークで2点目を奪う。特に、2点目は鳥肌モノ。あの局面でよくぞやってくれた、それが素直な感想だ。

 途中出場で2得点。ただただ、凄いのひと言である。

 さて、強豪揃いのワールドカップの本大会になれば、また戦い方は変わってくるだろう。この日は采配がズバリ的中した森保監督も、本大会で指揮を執るかは現時点で分からない(前回大会はハリルホジッチ監督がロシア・ワールドカップ前に解任された)。喜びに浸りすぎず、ワールドカップをどう勝ち抜くか。そこも含めて、ここから日本サッカー協会には確かなプラン構築が求められるのではないだろうか。

文●白鳥和洋(サッカーダイジェスト編集部)

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