ワールドカップ・アジア最終予選のベトナム戦は、１-０と僅差での勝利となった。得失点差で上位と水を開けられていただけに、もっと得点が欲しかったのは明らかだ。

　それでも、この試合は勝点３を獲れたらいいと思って観ていた。もちろん、得失点差を考えれば５-０くらいで勝っておいた方がいいと思っていたが、選手のコンディションや初戦の調整期間の短さを考えると、そこまで大量得点を望めるかと思う面もあったからだ。

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　だから、ベトナム戦はあまり憤慨せずに、穏やかに見守ろうと思っていたんだ。でもね、試合が進むにつれて、そんな気は薄れていった。立ち上がりこそ、アグレッシブな守備からゴール方向へ向かう攻撃も見られたけど、早い段階で先制点を取ったら途端に緩くなっていき、一向にペースが上がらない。足下から足下へパス、パス、パス、パス……。典型的な悪い時の日本のサッカーになってしまった。

　もっとドリブルで局面を打開できる人、テンポを変えられる人を出さないのかと思っていたけど、交代も遅いし、飲水タイムで何か変えてくるのかとか思っても動きはないし。そもそも交代で入ってきた選手も自分が何をしたら状況を変えられるか、分かっていなかったんじゃないか？　途中から入ってくる選手は、みんなと同じことやっているんだったら、入る意味なんかないんだ。いまセルティックで調子がいい古橋も途中出場したけど、ハツラツさは感じなかったね。

　監督の采配にも限界があるのかも分からんが、選手を見ても個人で突破しようと気概にあふれた奴はおらんし、かといって３人目の動きで裏に飛び込んでいく場面もない。それで最後は１点を守り切る流れになったけど、終盤に追いつかれて引き分けに持ち込まれてもおかしくはなかった。とてもじゃないが、憤らずになんて見ていられないよ。

　とにかく見ている方にも、もっと気迫が伝わってくる戦いを見せてほしい。一生懸命やってないとは思わないけど、グループ最下位の相手に点が取れそうな雰囲気も出せないようではダメ。アウェー戦は地上波でもやらなくなっているし、こういう内容ではサッカー離れが加速してしまう。次のオマーン戦では、見違えるようなパフォーマンスを見せてほしいね。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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