５月20日（現地時間）、セリエA最終節が行なわれ、最終順位とともに、来シーズンの欧州カップ出場チームも決定した。
 
　注目のチャンピンズ・リーグ（CL）出場権争いでは、最後の１枠を懸けて、４位ラツィオと５位インテルが直接対峙。オリンピコでの一戦、９分にマルシッチのシュートがインテルのペリシッチに当たって軌道が変わり、オウンゴールというかたちでホームチームが先制する。
 
　対するインテルは29分に混戦からダンブロージオが詰めて同点とするが、41分には縦パス１本でF・アンデルソンに抜け出され、再び勝ち越された。

 
　試合は後半に入り、長くスコアが動かずにいたが、終盤に入った78分にイカルディが自ら倒されて得たPKを決め、インテルが再び試合を振り出しに戻す。さらにその３分後には、CKからベシーノが頭で合わせてゴール左隅に叩き込み、ついに逆転に成功。そのまま試合を終えた。
 
　両チームとも勝点72に並び、得失点差ではラツィオが上回ったものの、このリーグで優先されるのは当該チームの対戦成績であり、１勝１分けのインテルが逆転で４位に浮上し、2010-11シーズン以来となるCL出場権を手にした。
 
　一方、すでにヨーロッパリーグ（EL）出場権を確保していた６位ミランだが、７位アタランタとの勝点差は１であり、順位を逆転されると、ELでは予選２回戦からの出場となるため、本戦出場のためにも勝利が求められた。
 
　しかし、サン・シーロでのフィオレンティーナ戦、ミランはボヌッチが自陣でボールを失い、シメオネに先制ゴールを奪われてしまう。悪いかたちでの失点でスタジアムも静かになったが、その３分後、チャルハノールが直接FKを決めて流れを変える。
 
　この背番号10がその後も躍動し、42分には右サイドでテクニックを披露してからクロスを入れると、ニアでクトローネがダイビングヘッドで軌道を変えてゴール左隅に流し込み逆転。後半に入り、49分にチャルハノールのクロスにクトローネが頭で合わせるが、これは相手GKがセーブ。しかし、すかさずカリニッチが詰めて加点した。
 
　59分にもチャルハノールのスルーパスを受けたクトローネが、GKとポストのわずかな隙間を射抜いて４点目。最後は76分、ボナベントゥーラがハーフウェーライン付近からドリブルで突き進み、ペナルティーエリアに入ったところでシュートを決めるゴラッソで締めた。
 
　５発大勝を飾り、６位の座を守ったミランは、当初の目標だったCL行きのチケットは得られなかったものの、２シーズン連続で欧州の舞台に立つ権利は手にした。
 
　近年は他の都市のクラブに押されっぱなしのミラノ勢だったが、両チームが欧州カップ戦を手にしたのは、11—12シーズン以来のことである。
 
　なお、来シーズンのCL、ELに出場するクラブは以下の通り。
 
◇CL
ユベントス（セリエA１位）
ナポリ（セリエA２位）
ローマ（セリエA３位）
インテル（セリエA４位）
※全て本戦出場
 
◇EL
ラツィオ（セリエA５位）
ミラン（セリエA６位）
アタランタ（セリエA７位）
※コッパ・イタリア勝者のユベントスがCLに出場するため、ミランが本戦出場権を獲得し、アタランタが繰り上げで予選２回戦から出場
 
　最後に下位では、20位ベネベント、19位ヴェローナ、18位クトローネが降格。逆にセリエBからは首位エンポリ、２位パルマが昇格を果たした。残り１枠は、３位から８位までのチーム（順にフロジノーネ、パレルモ、ヴェネツィア、バーリ、チッタデッラ、ペルージャ）によるプレーオフで決定される。