【選手権出場校】王者としての強さを取り戻した“東福岡”

カテゴリ:サッカーダイジェストWeb編集部

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2016年12月28日

冬の大舞台で見据える目標は2連覇のみ

昨年度はインターハイ連覇と高校選手権を制して2冠。今年はMF藤川虎太朗(ジュビロ磐田内定)、MF髙江麗央(ガンバ大阪内定)、DF小田逸稀(鹿島アントラーズ内定)というプロ入り組に、昨年度の高校選抜であるMF鍬先祐弥などを擁し、チームはU-18高円宮杯プレミアリーグを制しての3冠王者を目標に掲げていた。
 しかし、前回覇者として迎えた今夏。初戦となったインターハイ2回戦で昌平に敗北。チームが目論んでいた野望は早々に打ち砕かれた。

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地区予選決勝戦にチームを取材。主にフィジカルや走りのトレーニングでコンディション調整している。写真:松尾祐希(サッカーライター)

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 彼らが強さを取り戻すきっかけになったのは、敗戦後に行ったミーティングだった。

 冬での雪辱を見据え、当日の夜に3時間ほど話し合いの場を設けた。昌平戦の映像を全員で確認することからスタートし、「1人ひとりが気遣うポジショニングができていなかったし、気遣って動いている方にパスを出せていなかったので、攻撃でも守備でもうまくいかなくなった」(藤川)という気付きを、コーチ陣やスタッフなども交えて議論を交わした。最も多かった話は「全国大会で普通にやれば自分たちが勝てるだろう」(鍬先)という心の部分の話だった。
 そして、メンタル面から変えていくことを決意し、「悪かった原因は日頃の練習への取り組み方にあったと考えた。気の持ち用が大事だという話をし、自分たちはやっていないことがいっぱいあると感じた」(藤井)という答えを導き出した。
 その効果は直後の練習から現われ、再スタートを切ったチームに待っていた地獄のフィジカルトレーニングでも発揮された。倒れる選手が出てしまうこともしばしばだったが、誰ひとりとしてコーチ陣に「やらされている」という意識を持つことはなく、「きつかったけど、やってなかったから負けた」(髙江)という想いで妥協することなく取り組んだ。

 その結果、「チーム全体が走れるようになった。走りに関しては絶対の自信がある」と小田が言うようにチームは新たな武器を獲得する。地区予選決勝の九国大付戦では、最終盤に4点リードの状態からサイドハーフの福田湧矢が前線まで顔を出して2得点を奪取。夏からの積み重ねが現われた場面だと言えるだろう。
 
 夏の敗北からチームを立て直し、冬の大舞台へと戻ってきた赤い彗星。見据える目標は選手権2連覇しかない。昨年度の覇者ということで周囲からは大きな期待が掛かるが、チームはそのような状況にも動じることはない。「自分としてはどこが来てもやるつもり」(藤川)、「足下をしっかりと見つめてやらないといけない。総体で初戦敗退したチームなので、自分たちはチャレンジャー」(鍬先)と選手たちは口々に、どこが相手でも油断することなく挑む覚悟を述べた。
 
 だからこそ、チームのさらなる成長を求めている。「(泥臭さとかの)そういう点では冷静に分析するとまだまだ足りないと思う。2年前のようにタレントが揃っている中で、去年みたいなまとまりの良さやハードワークをする部分は足りないような気がしている」と森重潤也監督は語り、主将の児玉慎太郎も「僕たちは未完成のチーム。なので、完成させていく楽しみがある」と話す。慢心することなく挑む王者は虎視眈々と夏のリベンジを狙う。
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