世界王者と対等の勝負を見せたイタリアは無敗を守ったが…。

世界的名手2人がゴールマウスに立ちはだかるPK戦。互いに譲らず9人目に突入したが、最後はヘクターが激戦にピリオドを打った。 (C) Alberto LINGRIA

PK戦:イタリア(先攻)=インシーニェ○、ザザ×、バルザーリ○、ペッレ×、ボヌッチ×、ジャッケリーニ○、パローロ○、デ・シリオ○、ダルミアン× ドイツ(後攻)=クロース○、ミュラー×、エジル×、ドラクスラー○、シュバインシュタイガー×、フンメルス○、キンミッヒ○、ボアテング○、ヘクター○
警告:ド=フンメルス(90分)、シュバインシュタイガー(112分) イ=ストゥラーロ(56分)、デ・シリオ(57分)、パローロ(59分)、ペッレ(91分)、ジャッケリーニ(103分)
(C) SOCCER DIGEST
7月2日(現地時間)、EURO2016の準々決勝で、ドイツがPK戦でイタリアを下し、ベスト4入りを果たした。
【写真】ドイツがPK戦で”天敵”イタリアに勝利し準決勝へ
過去、メジャー大会でイタリアと8度対戦し、一度も勝利を挙げていない世界王者ドイツは、序盤からボールを保持して相手陣内に攻め入り、いきなり左からクロスを入れるなど、積極的な姿勢を見せる。
対するイタリアは、これを堅い守備ではね返して攻撃に転じると、4分にCKからフロンレンツィが、5分にジャッケリーニが立て続けにシュートを放つ。
16分、ドイツにアクシデントが発生。MFケディラが股関節を痛めてシュバインシュタイガーとの交代を余儀なくされた。
しかし、ドイツはその後も主導権を握り、イタリア陣内でボールを回しながら、相手守備陣の隙を探り続ける。また守備では、イタリアが攻撃に転じたところで圧力を強めてボールをカット。中盤より前では一切、相手に自由を与えない。
ただ、イタリアの最終ラインの堅さは相変わらずであり、ドイツが得たチャンスといえば、20分にフンメルスのロングパスにゴメスが足を伸ばして合わせたシーン、41分のゴメスのヘッド、そしてその1分後に速いボールの行き来からミュラーがシュートを放ったシーンぐらいだった。
対するイタリアは、31分にデ・シリオが左サイドを抜け出して惜しいクロスを入れた他、43分にもジャッケリーニが縦パスに抜け出して折り返し、流れたボールをストゥラーロが押し込むという好機を作り出した。
決定機にはなかなか結び付かないものの、互いに攻守でハイレベルなプレーを披露し続けた前半45分が終わり、後半に入ると、序盤はイタリアがサイドから再三攻撃を仕掛け、これをドイツが中央ではね返すという展開が続く。
しかし徐々にドイツは盛り返し、54分には、左サイドでのパスカットから、中央のゴメスにボールが渡り、入れ替わり際にミュラーへパス。決定的なチャンスだったが、ミュラーのシュートは相手選手に当たって枠を外れた。
その後、互いに相手陣内に交互に攻め入りながらも、膠着状態に入っていた試合は、65分に動く。
左サイドでボールをキープするゴメスから、ヘクターが縦に走り抜けながらボールを受けて中央へ折り返すと、エジルが合わせてドイツが先制点を奪ったのだ。
リードしたドイツは勢い付き、そこから一気にイタリア・ゴールに迫る。68分には、フンメルスの縦パスをゴール前で受けたゴメスがヒールシュート。しかしGKブッフォンはこの至近距離のシュートに反応し、CKに逃れた。
反撃を試みるイタリアは74分、左サイドからのクロスに、ペッレがマークするボアテングの前に出てシュートを放つが、ボールはゴールマウスには飛ばない。
しかし78分、CKでキエッリーニと競り合ったボアテングがハンドを犯したことで、PKを得る。これをボヌッチが右隅に突き刺して、イタリアは同点に追い付いた。
活気を取り戻したイタリアは、その直後に相手のミスからカウンターを仕掛けてペッレが決定的なシュートを放ち、その後も効果的な攻撃を何度か仕掛けた。
一方のドイツは失点後から攻撃が停滞。連動した動きが少ないため、イタリア守備陣を慌てさせることがなく、プレーが遅れると、途端に複数の相手に囲まれてボールを奪われる。単純なクロスは全てはね返され、交代出場したドラクスラーの存在感を示せないまま、後半を終えた。
延長戦、開始直後はやはりドイツがボールを持つが、徐々にイタリアが押し返す。セカンドボールを拾えるようになり、前線へもパスが繋がるようになったことで、再三ドイツ・ゴールに迫っていった。
しかし、両者ともに決め手なく後半へ。ドイツは前に出て得点の意思を示し、開始1分でドラクスラーがシュートを放つ。108分にはカウンターからドラクスラーが持ち込むが、ミュラーへのスルーパスがずれ、好機を逸した。
イタリアは113分、交代出場のインシーニェがうまくDFをかわして角度のないところからシュートを放つが、これはノイアーがキャッチする。
互いに全ての力を出し切り、疲労の色がありありと窺えた延長戦。スコアは最後まで動くことなく、この大会3度目のPK戦に勝敗を委ねることとなった。
ここでも、両者は一歩も譲らない。2人目はザザ(枠外)、ミュラー(GKがセーブ)ともに失敗し、ドイツは3人目のエジルもポストに当ててしまう。しかし、イタリアは4人目のペッレが枠を外し、ボヌッチも失敗した。
決めれば勝利のところを、ドイツ5人目のシュバインシュタイガーのシュートはクロスバーを越えてサドンデスへ。その後は成功が続いたが、9人目、ダルミアンがノイアーに止められたのに対し、ヘクターはブッフォンに反応されたものの、ボールはゴールラインを越えた。
今回もイタリアは負けなかった(PK戦決着は記録上では引き分け)が、準決勝へ駒を進めたのはドイツ。3大会連続でベスト4入りを果たし、次は7月7日、フランス対アイスランドの勝者と、ファイナリストの座を懸けて対戦することが決まった。
【写真】ドイツがPK戦で”天敵”イタリアに勝利し準決勝へ
過去、メジャー大会でイタリアと8度対戦し、一度も勝利を挙げていない世界王者ドイツは、序盤からボールを保持して相手陣内に攻め入り、いきなり左からクロスを入れるなど、積極的な姿勢を見せる。
対するイタリアは、これを堅い守備ではね返して攻撃に転じると、4分にCKからフロンレンツィが、5分にジャッケリーニが立て続けにシュートを放つ。
16分、ドイツにアクシデントが発生。MFケディラが股関節を痛めてシュバインシュタイガーとの交代を余儀なくされた。
しかし、ドイツはその後も主導権を握り、イタリア陣内でボールを回しながら、相手守備陣の隙を探り続ける。また守備では、イタリアが攻撃に転じたところで圧力を強めてボールをカット。中盤より前では一切、相手に自由を与えない。
ただ、イタリアの最終ラインの堅さは相変わらずであり、ドイツが得たチャンスといえば、20分にフンメルスのロングパスにゴメスが足を伸ばして合わせたシーン、41分のゴメスのヘッド、そしてその1分後に速いボールの行き来からミュラーがシュートを放ったシーンぐらいだった。
対するイタリアは、31分にデ・シリオが左サイドを抜け出して惜しいクロスを入れた他、43分にもジャッケリーニが縦パスに抜け出して折り返し、流れたボールをストゥラーロが押し込むという好機を作り出した。
決定機にはなかなか結び付かないものの、互いに攻守でハイレベルなプレーを披露し続けた前半45分が終わり、後半に入ると、序盤はイタリアがサイドから再三攻撃を仕掛け、これをドイツが中央ではね返すという展開が続く。
しかし徐々にドイツは盛り返し、54分には、左サイドでのパスカットから、中央のゴメスにボールが渡り、入れ替わり際にミュラーへパス。決定的なチャンスだったが、ミュラーのシュートは相手選手に当たって枠を外れた。
その後、互いに相手陣内に交互に攻め入りながらも、膠着状態に入っていた試合は、65分に動く。
左サイドでボールをキープするゴメスから、ヘクターが縦に走り抜けながらボールを受けて中央へ折り返すと、エジルが合わせてドイツが先制点を奪ったのだ。
リードしたドイツは勢い付き、そこから一気にイタリア・ゴールに迫る。68分には、フンメルスの縦パスをゴール前で受けたゴメスがヒールシュート。しかしGKブッフォンはこの至近距離のシュートに反応し、CKに逃れた。
反撃を試みるイタリアは74分、左サイドからのクロスに、ペッレがマークするボアテングの前に出てシュートを放つが、ボールはゴールマウスには飛ばない。
しかし78分、CKでキエッリーニと競り合ったボアテングがハンドを犯したことで、PKを得る。これをボヌッチが右隅に突き刺して、イタリアは同点に追い付いた。
活気を取り戻したイタリアは、その直後に相手のミスからカウンターを仕掛けてペッレが決定的なシュートを放ち、その後も効果的な攻撃を何度か仕掛けた。
一方のドイツは失点後から攻撃が停滞。連動した動きが少ないため、イタリア守備陣を慌てさせることがなく、プレーが遅れると、途端に複数の相手に囲まれてボールを奪われる。単純なクロスは全てはね返され、交代出場したドラクスラーの存在感を示せないまま、後半を終えた。
延長戦、開始直後はやはりドイツがボールを持つが、徐々にイタリアが押し返す。セカンドボールを拾えるようになり、前線へもパスが繋がるようになったことで、再三ドイツ・ゴールに迫っていった。
しかし、両者ともに決め手なく後半へ。ドイツは前に出て得点の意思を示し、開始1分でドラクスラーがシュートを放つ。108分にはカウンターからドラクスラーが持ち込むが、ミュラーへのスルーパスがずれ、好機を逸した。
イタリアは113分、交代出場のインシーニェがうまくDFをかわして角度のないところからシュートを放つが、これはノイアーがキャッチする。
互いに全ての力を出し切り、疲労の色がありありと窺えた延長戦。スコアは最後まで動くことなく、この大会3度目のPK戦に勝敗を委ねることとなった。
ここでも、両者は一歩も譲らない。2人目はザザ(枠外)、ミュラー(GKがセーブ)ともに失敗し、ドイツは3人目のエジルもポストに当ててしまう。しかし、イタリアは4人目のペッレが枠を外し、ボヌッチも失敗した。
決めれば勝利のところを、ドイツ5人目のシュバインシュタイガーのシュートはクロスバーを越えてサドンデスへ。その後は成功が続いたが、9人目、ダルミアンがノイアーに止められたのに対し、ヘクターはブッフォンに反応されたものの、ボールはゴールラインを越えた。
今回もイタリアは負けなかった(PK戦決着は記録上では引き分け)が、準決勝へ駒を進めたのはドイツ。3大会連続でベスト4入りを果たし、次は7月7日、フランス対アイスランドの勝者と、ファイナリストの座を懸けて対戦することが決まった。