FIFAが定める国際試合ウィークも、2014年は11月が最後。来週なかばまで、世界各地で親善試合、そして欧州では２年後の欧州選手権フランス大会（EURO2016）に向けての予選が行なわれる。
 
　すでに12日にも多くの試合が開催され、ブラジルはトルコとイスタンブールで対戦して４-０の大勝。ネイマールは先制点を含む２ゴールで勝利に大貢献した。
 
　そのネイマールとバルセロナでコンビを組むリオネル・メッシが率いるアルゼンチンは、カルロス・テベスの復帰が話題となったが、ロンドンでのクロアチア戦ではメッシが決勝点となるPKを決めて２-１の逆転勝利を飾った。
 
　欧州では、オランダがフース・ヒディンク政権下で４敗目を喫した。ホームでメキシコに先手を取られ続け、ヴェスレイ・スナイデル、ダレイ・ブリントの追撃ゴールも及ばず、２-３の敗北。ブラジル・ワールドカップ後の勝利は欧州選手権予選のカザフスタン戦だけと、非常に厳しい状況に追い込まれている。
 
　さて13日以降も、興味深いカードが世界中で用意されている。親善試合では、なんといっても18日にビーゴで行なわれるスペインとドイツの新旧世界王者対決だ。下り坂の現欧州王者が、充実の現世界王者相手にいかなる戦いを見せるか、先のワールドカップでは見られなかった戦力のチェックも含めて非常に楽しみだ。
 
　同日のポルトガル対アルゼンチンも注目必至のカード。かつてのホーム、マンチェスターのオールド・トラフォードに“凱旋”するクリスチアーノ・ロナウドと、彼の好敵手（クラブレベルでも）であるリオネル・メッシをめぐる両チームの攻防が最大の見どころとなるだろう。
 
　スコットランド対イングランドの英国対決も、９月に独立投票が行なわれたという経緯もあり、これまで以上に注目を集めそうだ。実力では敵地グラスゴーに乗り込むイングランドの方が上だが、ホームチームの意地、イングランドの不安定ぶりもあり、勝敗は全く予想がつかない。
 
　EURO予選はまだ各国が２～３試合を終えたばかりであり、争いの行方を読むことは難しいが、前述したオランダはこれ以上、勝点を落とすようだと非常に厳しくなる。ラトビアは明らかに格下ではあるが、勝利が絶対条件の重要な一戦となる。
 
　アイルランドと引き分け、ポーランドに敗れたドイツは現在３位。ここから巻き返しを図るうえで、ジブラルタル相手に大量得点を奪い、ひとつでも順位を上げておきたいところである。
 
　他では、強国を抑えて首位に立っているマイナー国が、このまま順位を維持して年を越せるかも興味のひとつだ。なかでも、ガレス・ベイル擁するウェールズは58年スウェーデン・ワールドカップ以来のメジャー大会出場を狙っており、16日に迎えるアウェーでのベルギー戦は非常に重要な一戦となる。
 
　最後に、日本はホンジュラス、オーストラリアと対戦。１月のアジアカップに向けての選手選考に大きな影響を与えるであろう２試合だ。遠藤保仁や今野泰幸といったベテラン勢が再招集され、怪我の回復した内田篤人も新体制では初登場。親善試合ながら、注目すべきポイントは非常に多い。
 
◆主な国際親善試合
◎11月13日
ウルグアイ対コスタリカ

◎11月14日
フランス対アルバニア
日本対ホンジュラス
 
◎11月18日
スペイン対ドイツ
ポルトガル対アルゼンチン
オーストリア対ブラジル
フランス対スウェーデン
チリ対ウルグアイ
イタリア対アルバニア
スコットランド対イングランド
日本対オーストラリア
 
◆EURO2016予選
◎11月14日
グルジア対ポーランド
ドイツ対ジブラルタル
ギリシャ対フェロー諸島
ハンガリー対フィンランド
ポルトガル対アルメニア
ルーマニア対北アイルランド
スコットランド対アイルランド
セルビア対デンマーク
 
◎11月15日
サンマリノ対エストニア
ルクセンブルク対ウクライナ
オーストリア対ロシア
イングランド対スロベニア
モルドバ対リヒテンシュタイン
マケドニア対スロバキア
モンテネグロ対スウェーデン
スペイン対ベラルーシ
スイス対リトアニア
 
◎11月16日
オランダ対ラトビア
アゼルバイジャン対ノルウェー
キプロス対アンドラ
ベルギー対ウェールズ
ブルガリア対マルタ
イスラエル対ボスニア・ヘルツェゴビナ
イタリア対クロアチア
トルコ対カザフスタン
チェコ対アイスランド
 
※左側表記の国がホームだが、中立地での試合もあり