昨シーズンの決勝で辛酸をなめたレッズが雪辱を果たした。

　現地時間６月１日、マドリードで開催されたチャンピオンズ・リーグ（CL）決勝で、トッテナムを２-０で打ち破ったリバプールが、実に14シーズンぶり、クラブ史上６度目となる欧州制覇を達成した。

　開始早々の２分にモハメド・サラーのPKによるゴールで均衡を破ったが、その後はトッテナムの反攻を受け、自分たちのペースに持ちこめない時間帯が続いた。

　それでも守護神のアリソンやオランダ代表DFフィルジル・ファン・ダイクを中心にしたまとまりのある守備で相手に冷静に対応したリバプールは、巧みに時間を消化。そして87分に途中出場のディボック・オリギがダメ押し点をねじ込んで、勝利を決定付けた。

　CLのファイナルで11年ぶりとなったイングランド勢対決を見事に制したリバプール。１年前の決勝でレアル・マドリーに敗れた無念を晴らした。

　無論、地元メディアや識者たちからは称賛の嵐が吹き荒れている。この試合を英スポーツ専門局『BT Sports』で解説したOBのマイケル・オーウェンは次のように語った。
 

「リバプールが見せた忍耐力は称賛に値する。そして扉をキックした彼らはもっと勝ち続けるだろう。王朝の幕開けと言えるんじゃないかな。本当に大きな優勝だと思う」

　そして、リバプールの情報を日夜発信し続けている地元紙『Liverpool Echo』は、贔屓チームの勝利に酔い知れるように、こうレポートしている。

「緊張しっぱなしだった。骨の折れる作業とはこのことかもしれない。今日もいろいろなことがあったし、試合は決して褒められた内容ではないかもしれない。でも、なによりも重要なことはリバプールが６度目のヨーロッパチャンピオンになったことだ。

　そして、もはやユルゲン・クロップの手腕を疑う者は誰もいなくなっただろう。４年に渡ってレッズで構築に構築を重ねて、驚くべきチームへと引き上げた。彼以外にこの作業ができただろうか？ 

　マドリーに敗れ、今シーズンもプレミアリーグでは97ポイントも積み上げながらマンチェスター・シティの後塵を拝した。だが、そうした挫折からリバプールは学び、経験を積んできたからこそ、いまがある」

　熱血漢クロップとともに歩んできた道が間違っていなかったことを、結果で証明してみせたリバプール。その強さに疑いの眼差しを向ける者は、もはやいないはずだ。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部