プリマベーラ（ユースチーム）とのテストマッチとはいえ、新天地での初実戦ですぐにゴールを決めたのだから、やはりスターは一味違う。

　この夏、レアル・マドリーからユベントスに移籍したクリスチアーノ・ロナウドは現地８月12日、トリノ郊外にあるヴィッラール・ペローザでの恒例のテストマッチで実戦デビューを飾り、開始８分に移籍後初得点をマークした。

　５回のバロンドール受賞を誇るC・ロナウドといえども、やはり初戦でのゴールは特別なのだろう。同日にSNSを更新し、イタリア語で「ユーベの勝利の歴史を語る特別な雰囲気の中で、感動的な一日だった」と喜びを表している。

「素晴らしい愛情を示してくれたすべてのサポーターに感謝！ #FinoAllaFine（最後まで）」

　C・ロナウド加入でユーベの飛躍を期待する声は少なくない。親会社フィアット・クライスラー・オートモービルズのジョン・エルカン会長は、「世界最強のチームにとって、世界最高の選手を手に入れたのは、素晴らしい“結婚”だ（イタリア紙『Gazzetta dello Sport』より）」と述べている。
 

「今日はチームが初めて一緒にプレーした。そして最初のゴールがC・ロナウドだったなんて、素晴らしいことが約束されているね」

　ユーベがC・ロナウドを獲得したのは、1996年以来となる欧州制覇を果たすためだ。指揮を執るマッシミリアーノ・アッレグリ監督も、「ほかの年以上にCLで優勝しようという野心を持っている」と意気込んだ。

「ほかの年よりも優勝への野心が強いのは当然のことだ。セリエAやコッパ・イタリア、スーパーカップも同じだがね。ただ、ピッチで勝ち取る前にトロフィーをプレゼントしてくれる者はいない」

　さらにアッレグリ監督は、「C・ロナウドが経験とクオリティーをもたらしてくれたのは当然のことだ。全員が成長する刺激にもなり得る」とコメント。新エースによる好影響に触れつつ、それでタイトルが保証されているわけではないことも強調した。

「だからといって、犠牲をいとわない意欲を通じて勝利を目指すというユーベの特徴を失ってはいけない。過去５年のCLで４回優勝したマドリーだって、何もプレゼントはされていないんだ」

　C・ロナウドという最高の武器を手に入れたイタリアの絶対王者は、23年ぶりとなる悲願を成就させられるだろうか。注目のシーズンは、現地８月18日のキエーボ戦（セリエA）で幕が開ける。