チリは熟成度の高さで序盤はドイツを圧倒したが…

若いメンバーでコンフェデ杯初制覇を果たしたドイツ。ここから熾烈なチーム内競争が展開され、来夏までにはさらに強いチームが形成されることになるのか。非常に楽しみだ。 (C) Getty Images

7月2日(現地時間)、コンフェデレーションズカップ決勝が行なわれ、ドイツが1-0でチリを下し、初優勝を果たした。
試合は、南米王者が開始直後からアグレッシブなプレーで世界王者に襲い掛かり、2分には早くもエースのA・サンチェスがミドルでファーストシュートを放つ。
チームとしての熟成度の高さを存分に発揮し、中盤や前線で相手にプレッシャーをかけてボールを奪うと、スムーズにボールを繋いでゴールに迫るチリ。5分にはビダルが最初の決定的を迎え、その後も次々にシュートを放つなど、ドイツを圧倒していった。
グループステージでの対戦(1-1)でもチリに主導権を握られたドイツは、攻撃のかたちを作れず、なかなか相手ゴールに迫ることができない。ファーストシュートは14分。CKをムスタフィが頭で合わせたプレーだった。
完全なチリのペースで進んだ試合だが、得点は思わぬかたちで生まれる。20分、チリのCBディアスが最後尾でボールを持ったところを、ドイツ攻撃陣がプレッシャーを仕掛け、奪ったヴェルナーからラストパスを受けたフリーのシュティンドルが、難なくゴールに流し込んだのだ。
ファーストチャンスを活かして先制ゴールを奪ったドイツ。このプレーの直前には、チリのビダルに強烈なミドルを浴び、GKテア・シュテーゲンが弾いたところを、さらにA・サンチェスに詰められるも、これも守護神が身を挺して防いでいた。
苦しい時間帯を守備で耐え忍びながら、訪れたチャンスを見逃さなかった世界王者は、ここから試合の流れを変えていく。ポゼッションでは相手に上回られるも、効果的なカウンターを再三見せ、前半の終わり頃にはドラクスラーらのパスカットから得点機を量産した。
後半は立ち上がりから落ち着いた展開に。チリが攻勢に立ちながらも、ドイツが時折、効果的な反撃を見せるが、両チームの最終ラインは要所を締めた守備で、相手に決定的プレーを許さない。
そして、チリが1点を求めてプレーの激しさを増すと、選手間で小競り合いが起き、両チームの選手にイエローカードが掲げられるなど、ピッチ上には不穏なムードが漂い始める。65分にはハラがヴェルナーにヒジ打ち食らわせ、VAR(ビデオ判定)によって警告を受けるという場面もあった。
チリは72分、A・サンチェスの混戦からのシュートを皮切りに、74分にはバルガスがペナルティーエリア内で振り向きざまにシュートを放ち、さらに直後にはビダルがゴール前でこぼれ球を叩くが、いずれもドイツのDF、GKに阻まれてゴールネットを揺らせない。
84分にはA・サンチェスの縦パスに飛び出し、ゴールラインぎりぎりのところで受けたプチがマイナスに折り返すも、サガルのダイレクトシュートはクロスバーを大きく越してしまった。
そしてアディショナルタイム、ゴール正面の好位置でFKを得たが、A・サンチェスの右隅を狙ったシュートは、テア・シュテーゲンが横っ飛びセーブ。これが、チリの最後のチャンスとなった。
攻め急ぐ相手に対し、好守備でのパスカットからカウンターで好機を作り続けたドイツは、攻撃的な姿勢を保ちながらも最後まで1点を守り切り、歓喜の瞬間を迎えた。
平均年齢24歳台という若いチームが、サンクトペテルブルクの空に優勝トロフィーを高く掲げる。ドイツは、6月30日にもU-21欧州選手権を制しており、改めて、育成の充実ぶり、若きタレントの豊富さを感じさせた。
【コンフェデ杯/決勝】
チリ 0-1 ドイツ
得点:シュティンドル(20分)
警告:チ=ビダル(59分)、ハラ(65分)、バルガス(75分)、C・ブラーボ(90分) ド=キミッヒ(59分)、ジャン(90分)、ルディ(90+2分)
試合は、南米王者が開始直後からアグレッシブなプレーで世界王者に襲い掛かり、2分には早くもエースのA・サンチェスがミドルでファーストシュートを放つ。
チームとしての熟成度の高さを存分に発揮し、中盤や前線で相手にプレッシャーをかけてボールを奪うと、スムーズにボールを繋いでゴールに迫るチリ。5分にはビダルが最初の決定的を迎え、その後も次々にシュートを放つなど、ドイツを圧倒していった。
グループステージでの対戦(1-1)でもチリに主導権を握られたドイツは、攻撃のかたちを作れず、なかなか相手ゴールに迫ることができない。ファーストシュートは14分。CKをムスタフィが頭で合わせたプレーだった。
完全なチリのペースで進んだ試合だが、得点は思わぬかたちで生まれる。20分、チリのCBディアスが最後尾でボールを持ったところを、ドイツ攻撃陣がプレッシャーを仕掛け、奪ったヴェルナーからラストパスを受けたフリーのシュティンドルが、難なくゴールに流し込んだのだ。
ファーストチャンスを活かして先制ゴールを奪ったドイツ。このプレーの直前には、チリのビダルに強烈なミドルを浴び、GKテア・シュテーゲンが弾いたところを、さらにA・サンチェスに詰められるも、これも守護神が身を挺して防いでいた。
苦しい時間帯を守備で耐え忍びながら、訪れたチャンスを見逃さなかった世界王者は、ここから試合の流れを変えていく。ポゼッションでは相手に上回られるも、効果的なカウンターを再三見せ、前半の終わり頃にはドラクスラーらのパスカットから得点機を量産した。
後半は立ち上がりから落ち着いた展開に。チリが攻勢に立ちながらも、ドイツが時折、効果的な反撃を見せるが、両チームの最終ラインは要所を締めた守備で、相手に決定的プレーを許さない。
そして、チリが1点を求めてプレーの激しさを増すと、選手間で小競り合いが起き、両チームの選手にイエローカードが掲げられるなど、ピッチ上には不穏なムードが漂い始める。65分にはハラがヴェルナーにヒジ打ち食らわせ、VAR(ビデオ判定)によって警告を受けるという場面もあった。
チリは72分、A・サンチェスの混戦からのシュートを皮切りに、74分にはバルガスがペナルティーエリア内で振り向きざまにシュートを放ち、さらに直後にはビダルがゴール前でこぼれ球を叩くが、いずれもドイツのDF、GKに阻まれてゴールネットを揺らせない。
84分にはA・サンチェスの縦パスに飛び出し、ゴールラインぎりぎりのところで受けたプチがマイナスに折り返すも、サガルのダイレクトシュートはクロスバーを大きく越してしまった。
そしてアディショナルタイム、ゴール正面の好位置でFKを得たが、A・サンチェスの右隅を狙ったシュートは、テア・シュテーゲンが横っ飛びセーブ。これが、チリの最後のチャンスとなった。
攻め急ぐ相手に対し、好守備でのパスカットからカウンターで好機を作り続けたドイツは、攻撃的な姿勢を保ちながらも最後まで1点を守り切り、歓喜の瞬間を迎えた。
平均年齢24歳台という若いチームが、サンクトペテルブルクの空に優勝トロフィーを高く掲げる。ドイツは、6月30日にもU-21欧州選手権を制しており、改めて、育成の充実ぶり、若きタレントの豊富さを感じさせた。
【コンフェデ杯/決勝】
チリ 0-1 ドイツ
得点:シュティンドル(20分)
警告:チ=ビダル(59分)、ハラ(65分)、バルガス(75分)、C・ブラーボ(90分) ド=キミッヒ(59分)、ジャン(90分)、ルディ(90+2分)

失点後はやや勢いが衰えたものの、チリはチームとしての熟成度の高さを随所で感じさせた。ビダル(8番)は攻守にわたり決定的なプレーを見せ、A・サンチェス(7番)もキミッヒ(18番)のマークに苦しみながらも、巧さ、強さ、速さを披露した。 (C) Getty Images