3月11日(現地時間)、ブンデスリーガ第24節が行なわれ、ドルトムントは1-2でヘルタ・ベルリンに敗れた。
原口、香川がスタメンに名を連ねた一戦。公式戦では、前者が7試合連続、そして後者は10試合ぶりの先発出場となった。
最初にチャンスを得たのはアウェーチーム。2分、カストロのパスを受けた香川が体勢を崩しながらもスルーパスを通したが、これを受けたシュールレのシュートは大きく枠を外れた。
一方、ヘルタは5分、中盤でボールを得た原口がドリブルで突き進み、カットインから思い切りの良いシュートを放つ。ゴールマウスは捉えられなかったものの、自信を感じさせるプレーだった。
その後、ペースを握ったのはホームチーム。強固な守備ブロックでドルトムントの攻撃を封じ、ボールを奪うと素早いカウンターを仕掛けてゴールに迫る。ここではカルーの突破力が活き、最終ラインに不安を抱えるドルトムントを再三苦しめた。
11分、ヘルタの先制点はドルトムントのミスから生まれた。シュメルツァーのパスをギンターがコントロールミスしたところをイビシェビッチが奪い、ドリブルで持ち込んで右サイドからクロスを入れると、逆サイドでカルーがフリーで詰めた。
15分にも、カルーはドリブルからの強烈なミドルシュートでドルトムント・ゴールを脅かすも、GKビュルキが辛うじてセーブ。カルーは直後のCKでもこぼれ球を詰めたが、これはゴールライン上でゲレイロにクリアされた。
対するドルトムントはなかなか効果的な攻撃が見せられずにいたが、25分過ぎから反撃を見せる。カストロが起点となった攻撃で、チャンスを作ったのは香川だった。
28分には3人の敵に囲まれながらも巧みなボールコントロールでこれをかわしてドゥルムにスルーパスを通し、38分にはペナルティーエリア内でボールを受けると、鋭いフェイントで前に抜け出して惜しいクロス。39分にもオーバメヤンに決定的なパスを送った。
これまでの試合よりも高い位置取りをキープし、頻繁に相手ゴール前に飛び出すなど、攻撃に重点を置いたプレーを見せた香川は、良いアクセントとなって機能し、難しい状況でボールを受けても、これを高い確率で味方に繋いで好機へと結び付けていった。
ヘルタがリードを保って迎えた後半、ドルトムントが1回、ヘルタが2回のチャンスを得て迎えた55分に、試合は振り出しに戻る。オーバメヤン、ゲレイロ、香川が連動した動きを見せ、香川が左に流れながら出したラストパスを、オーバメヤンがゴール右隅に突き刺した。
ここからドルトムントは中盤での守備が良くなり、逆にヘルタのチェックが緩くなったことで、好位置で選手がボールを受けることができるようになる。58分にはカストロがうまくボールを奪ってシュールレとの壁パスで抜け出し、GKとの1対1の絶好機を迎えた(シュートは枠外)。
ヘルタは疲労のせいか、選手の足が止まり、マークをずらすこともあり、69分にもオーバメヤンに浮き球で惜しいシュートを浴びるなど、再三危ない場面を迎えたが、その直後に交代出場のヴァイザーがドリブルで中央突破を試み、エリア手前のゴール正面でFKを得る。
これを、プラッテンハルトが左足での強烈なシュートでゴール右隅に叩き込み、守勢のヘルタがまたもリードを奪った。
勢い付いたところで痛恨の失点を喫したドルトムントは同点ゴールを狙って攻勢を強めるも、再び集中力を取り戻したヘルタの守備の前に、幾度がチャンスを作るもののゴールを生み出すまでには至らない。
攻撃の切り札でもあるデンべレ、プリシッチらを投入したものの、これも実らず、ドルトムントは20節ダルムシュタット戦以来の黒星を喫した。
香川は同点ゴールをアシストするなど、目に見える結果を残したが、チームの勝利には貢献できず。ボールを持てば高い確率でチャンスを生み出していただけに、後半途中からボールに触れる回数が少なくなったのは残念だった。
一方の原口は、決定的なプレーは前述のシュートの他、54分にカルーが左サイドからのクロスに合わせたシュートが相手DFにブロックされた場面ぐらいだったが、チームの堅守とカウンターにうまく対応しており、アディショナルタイムに交代するまで、役割は十分に果たしたと言えよう。
原口は決定的なプレーは少ないものの、堅守とカウンターに対応。

攻撃面では、チームで最も効果的なプレーを見せた香川。これが今後の彼に起用法にいかなる影響を与えるだろうか。 (C) Getty Images

警告:ヘ=ラングカンプ(16分)、ヴァイザー(90分) ド=ギンター(70分)、バルトラ(80分)、デンべレ(90分)、プリシッチ(90+3分) (C) SOCCER DIGEST