スピードやパワーだけで制することができる勝負は限られる
強いチーム、弱いチーム、どこに差は出るのか?
クラブレベルだと、選手のキャラクターやプレースタイルや求められるリズムに違い過ぎ、分かりにくいところもある。たとえば単純な放り込みで得点を決めるチームと、何本もパスをつなげて得点を決めるチーム、どちらが強いのか。その議論は空回りするだけだろう。手数をかけずに早く得点することは効率が高いが、手数をかけて得点ができることはそれだけの技術力なのだ。
たとえば北中米ワールドカップ・アジア最終予選、日本はインドネシアに6-0で大勝を収めた。日本が強く、インドネシアが弱かったのは間違いない。戦術、技術、体力、メンタル、すべてに差があった。
しかし、インドネシアも本大会出場プレーオフの権利をつかんでいたチームである。それなりのプレーはできたはずだった。それができなかったことに、「彼らが弱い理由があり、日本が強い理由がある」という仮説は成り立たないか。
インドネシアのトップはそれなりにポストの形を作ろうとしていたが、悉くボールのコントロールを失っていた。それはディフェンスにしつこく寄せられ、周りの選手との連係も乏しかったからだろう。トップの選手は予備動作で、どこまでポジション的優位を作れるか。その駆け引きの質が問われる。結局、それができていないと相手に制御されるし、連係にまでも結びつかない。
予備動作、ポジショニング、相手との駆け引きが強い、弱い、の天秤を動かす。日本は多くの選手が技術、俊敏さで優っていたことで、相手に飛び込ませない、というのはあった。しかし、ポジション的優位を作っているから次のプレーも優位になっていた。
クラブレベルだと、選手のキャラクターやプレースタイルや求められるリズムに違い過ぎ、分かりにくいところもある。たとえば単純な放り込みで得点を決めるチームと、何本もパスをつなげて得点を決めるチーム、どちらが強いのか。その議論は空回りするだけだろう。手数をかけずに早く得点することは効率が高いが、手数をかけて得点ができることはそれだけの技術力なのだ。
たとえば北中米ワールドカップ・アジア最終予選、日本はインドネシアに6-0で大勝を収めた。日本が強く、インドネシアが弱かったのは間違いない。戦術、技術、体力、メンタル、すべてに差があった。
しかし、インドネシアも本大会出場プレーオフの権利をつかんでいたチームである。それなりのプレーはできたはずだった。それができなかったことに、「彼らが弱い理由があり、日本が強い理由がある」という仮説は成り立たないか。
インドネシアのトップはそれなりにポストの形を作ろうとしていたが、悉くボールのコントロールを失っていた。それはディフェンスにしつこく寄せられ、周りの選手との連係も乏しかったからだろう。トップの選手は予備動作で、どこまでポジション的優位を作れるか。その駆け引きの質が問われる。結局、それができていないと相手に制御されるし、連係にまでも結びつかない。
予備動作、ポジショニング、相手との駆け引きが強い、弱い、の天秤を動かす。日本は多くの選手が技術、俊敏さで優っていたことで、相手に飛び込ませない、というのはあった。しかし、ポジション的優位を作っているから次のプレーも優位になっていた。
インドネシアの心をへし折る3点目となる鎌田大地のゴールは典型だった。久保建英、佐野海舟、再び久保、そして鎌田とパス交換を続ける中、ほとんどプレスがかかっていない。だからこそ好きなようにプレーができるわけだが、そうなるようにポジション的優位を作っているとも言えた。卵が先か、鶏が先か、といったところか。
クレバーという表現があるが、まさにこうしたコンビネーションができる選手を指す。久保はゴールのビジョンが見えていたはずだ。鎌田はゴールの瞬間まで、相手の動きがスローに見えるほど“時間を操っている”ようだった。
サッカーは局面の細部が、決定的な差につながる。パスがつながったか、シュートが決まったか、すべてに関係している。ロングボール一本、マークを外して裏を取れていないと成功しない。単なるスピードやパワーだけで制することができる勝負は、トップレベルでは限られる。
たとえば、後半に瀬古歩夢のロングパスに中村敬斗が裏を狙って走り、フリーで受けたシーンがあった。この時、パスが出る直前、ディフェンスが目を切ったところで中村が走り出し、同時にパスが出ていた。キックの質、走るスピードはすばらしかったが、タイミングでポジション的優位を確保していたのだ。
強いチームはうまいし、速いが、そこにある必然で、時間的、空間的優位にプレーしている。
文●小宮良之
【著者プロフィール】こみや・よしゆき/1972年、横浜市生まれ。大学在学中にスペインのサラマンカ大に留学。2001年にバルセロナへ渡りジャーナリストに。選手のみならず、サッカーに全てを注ぐ男の生き様を数多く描写する。『選ばれし者への挑戦状 誇り高きフットボール奇論』、『FUTBOL TEATRO ラ・リーガ劇場』(いずれも東邦出版)など多数の書籍を出版。2018年3月に『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューを果たし、2020年12月には新作『氷上のフェニックス』が上梓された。
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強いチームはうまいし、速いが、そこにある必然で、時間的、空間的優位にプレーしている。
文●小宮良之
【著者プロフィール】こみや・よしゆき/1972年、横浜市生まれ。大学在学中にスペインのサラマンカ大に留学。2001年にバルセロナへ渡りジャーナリストに。選手のみならず、サッカーに全てを注ぐ男の生き様を数多く描写する。『選ばれし者への挑戦状 誇り高きフットボール奇論』、『FUTBOL TEATRO ラ・リーガ劇場』(いずれも東邦出版)など多数の書籍を出版。2018年3月に『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューを果たし、2020年12月には新作『氷上のフェニックス』が上梓された。
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