29年ぶりに全国高校サッカー選手権に戻ってきた名門に、注目のストライカーがいる。水口（滋賀）の池口遼（３年）だ。

　12月29日に行なわれた上田西（長野）戦（１－０）で、CFとして最前線でハードワークを体現。強靭なフィジカルと豊富な運動量で攻撃を牽引したなか、決定的な仕事も果たした。ポジションをサイドハーフに移した直後の後半36分、利き足とは逆の左足でピンポイントクロスを送り込み、中井涼太（２年）の決勝点をアシストしてみせたのだ。

「『周りも活かしてやりたい』というのを目標に持ってやっているので、得点はなかったですけど、周りを活かしてアシストできて良かったです。ただ、もうちょっと...周りを見れていないところもあったので、もう少し周りを使う数を増やしたいです」

　タイミング良くワンタッチでパスを出す判断力、球離れの良さも魅力の池口は、手応えと課題を冷静に伝えた。左足も自身の特長になりつつあるようだ。

「パスコン（パス＆コントロール）とかからずっと左足を使っていたので。シュートを打っていくなかで、踏み込みの感じとかも、どんどんやり方が分かってきて、クロスとかも結構良い感じにできるようになりました」
 

　参考にしている選手には、元アルゼンチンFWセルヒオ・アグエロと元フランス代表FWカリム・ベンゼマ、好きな選手には韓国代表FWソン・フンミンを挙げた。

「ソン・フンミンは、何試合もあるリーグの中で安定して点を取る得点力や、１人で打開できるところがめっちゃすごいので好きです。アグエロやベンゼマは１トップのフォワードとして、追い方や受け方、最後にゴール前で攻撃できるところ、得点力がすごいので、そういうところを参考にしたいです」

　上田西戦では自分の得点チャンスもあったが、仕留めきれなかった。韓国の絶対エースらを頭の片隅に置く水口のパワフルエースは、12月31日の広島皆実戦で、初ゴールをマークできるか。ニッパツ三ツ沢球技場を縦横無尽に走り回る姿に、引き続き注目したい。

取材・文●有園僚真（サッカーダイジェストWeb編集部）

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