レアル・ソシエダと久保建英の蜜月関係は終わりを迎えるのか。

　ここ数年、ソシエダはラ・リーガの上位を競い、久保は中心選手のひとりとしてチームを支えてきた。だが今季、クラブはセルヒオ・フランシスコ監督の下で苦しみ、ついに先日指揮官を解任。久保自身もここまでリーグ戦１得点、１アシストという数字にとどまっている。

　スペイン『Fichajes』は12月17日、「クボはソシエダに加入してから最もデリケートな局面にある。クラブ内で彼の状況に関する懸念が高まり出した。これまでの３シーズンは素晴らしく、チーム有数の影響力を持つ選手に成長したが、４年目は注意が必要なほどに停滞しているようだ」と報じた。

「自信を失っているのは明らかだろう。クボは普段のレベルを大きく下回る出来で、判断ミスがあり、試合に影響できず、チームとの断絶も懸念される。リズム、精度、継続性に大きく頼るクラブにおいて、彼が下り坂にあることは、もう忍耐や善意でごまかせない構造的問題となった」

　同メディアは「ソシエダのファンは現在のクボを信じられない思いで見ている」と続けた。

「これまでの彼はアノエタの素晴らしいアイドルのひとりだった。才能、大胆さ、最後の局面での決断力で、試合を変えられる選手だった。だが、そんな姿は完全に消えてしまったかのようだ。試合ごとにミスと非常に悪いパフォーマンスが続き、別人のようになっている」

「スタンドのファンはもう不満を隠していない。スタメンに彼がいることでチームが苦しむのを見るのにうんざりし、放出を要求するファンは増えている。一時的な不調ではなく、長期にわたって明確な理由がなく、改善の兆しがないため、堪忍袋の緒が切れたのだ。クボをめぐる雑音は増し、スタジアム内外で議論が続いている」
 

　以前から久保の去就が騒がれてきたことは周知のとおりだ。それだけに、ソシエダが放出に踏み切る可能性もあるかもしれない。Fichajesは、クラブが移籍金の要求額を4000万ユーロ（約72億円）に減額する用意もあると報じている。

「１月の市場は双方にとって別れの扉となり得る。選手にとっては、現在のソシエダの重圧から離れ、環境を変えることで、キャリアを立て直し、自信とベストの調子を取り戻すのに役立つかもしれない。クラブにとっては、冬に売却することで損失が大きくなるのに先んじ、シーズン後半戦に向けて重要な枠を空けることとなる」

「金銭的なことだけではなく、スポーツの側面もある。ソシエダに必要なのは、エネルギーと影響力のある献身的な選手だ。現在のクボはそれを供給できていない。明確な改善なしに彼をチームにとどめることはリスクであり、クラブはもっと長期にわたってそのリスクを負うことは望んでいないようだ。そのため、即座の売却の可能性に関してすでにいくつかのシナリオを考慮している」

　最後に、同メディアは「クボはキャリアの分岐点にある」と締めくくった。

「そう遠くない以前に持続的な成功の物語と思われたが、今では性急な別れとなる恐れがあるのだ。現実的で市場を知るソシエダは、ダメージが大きくなる前に動くことを好む。興奮と輝きで始まった物語は今、明確な答えが出ないまま消えゆこうとしている。１月がその物語の終わりとなるかもしれない」

　シーズン後にワールドカップも控える今季だけに、冬の移籍については、久保自身が以前に否定的な見解を示している。ただ、マーケットは何があるか分からない。進展があるのか、注目だ。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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