田中碧が所属するリーズは、現地11月23日に開催されたプレミアリーグの第12節で、アストン・ビラとホームで対戦。１－２で敗れた。

　この試合でベンチスタートとなった田中は、アントン・シュタッハの故障により、23分から緊急出場。攻守に奮闘を見せていたにもかかわらず、71分にまさかの途中交代となった。

　人間性も評価されている日本代表MFは、しかし交代を告げられると、さすがに憮然とした表情を見せ、ダニエル・ファルケ監督から言葉を掛けられても表情を崩さなかった。

　昨季にチームの年間MVPに輝いた27歳への無情な仕打ちを、地元メディアは疑問視している。『MOTLeedsNews』は「タナカは、リーズド対アストン・ビラ戦での屈辱の後、ファルケ監督に激怒しているに違いない」と見出しを打ち、次のように報じた。

「ファルケ監督は23分に負傷したシュタッハに代えてMFのタナカを投入したにもかかわらず、ピッチから退かせるという恥辱を与えた。リーズがゴールを狙う中、田中は71分にダン・ジェームズと交代したが、この日本代表選手は間違いなく監督に不満を感じたに違いない」
 

　また、『The Leeds Press』は「リーズのスター選手がファルケ監督の決定に打ちのめされる。アストン・ビラ戦での衝撃の光景」と題した記事を掲載。こう伝えている。

「エランド・ロードのピッチから退いたその選手は、明らかに取り乱した様子だった。田中は前半、負傷したドイツ人MFのシュタッハに代わって出場すると、激しさと粘り強さをチームにもたらし、優れたパフォーマンを見せていた選手の一人だった。しかし、試合終盤にゴールを追いかけるなか、この日本人選手は70分頃に交代となり、全くうれしそうではなかった」

　同メディアは「交代は彼の心を打ち砕き、ベンチでスパイクの紐をほどきながら取り乱した表情を見せた。ファルケ監督でさえ、彼が不満を抱いていることを知っていたため、交代理由を説明するために彼に話しかけた」と続けた。

『LEEDS UNITED NEWS』によれば、そのドイツ人指揮官は「アオを交代させたくはなかったが、第４審判から、彼が再びタックルをするとレッドカードを受ける危険があると指摘された」とベンチに下げた理由を説明している。

　いかなる事情があっても、途中出場・途中交代で悔しさを露わするのは選手として当然。次戦ではこの鬱憤を果たす活躍を見せてくれるはずだ。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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