メキシコに勝てず、アメリカに負けたことを忘れてはいけない
日本代表は10月14日、親善試合でブラジルと対戦して3-2で史上初めて勝利を収めた。
ブラジルに勝ったことは素晴らしいよね。でも、手放しで喜べる内容だったかと言われると、決してそうじゃない。
後半の戦いぶりは見事だった。だけど、前半はカタール・ワールドカップのドイツ戦やスペイン戦を思い出すような受け身のサッカーで、しかも、あの時とは違って2-0でリードされる厳しい展開だった。前半は相手にボールを持たせて引きすぎて、ただ待ち構えるだけ。もっと前からプレッシャーをかけて、ミスを誘発するべきだった。
後半は失うものがなくなって、攻めるしかなくなった。前からプレスをかけ、相手のミスを誘う。この姿勢こそが、本来あるべき姿だったはずだ。
試合が動いたのは、相手のミスキックを南野が拾って1点差に詰め寄った場面。あそこで2-1になったことでチーム全体に「行けるぞ」という雰囲気が生まれて、勢いがついたのは間違いないよ。もちろん勝利に運はつきものだけど、ビハインドになってからようやく攻め始める姿勢は、今後の大きな課題として反省すべきだろうね。
個々のプレーに目を向けると、堂安のパフォーマンスは圧巻だったよね。攻守にわたって彼のプレーがチームを支えて、特に守備では決定的な場面で相手のチャンスを潰していた。
上田の3点目は、彼の持ち味である身体の強さとヘディング技術が存分に発揮された見事なゴールだったよ。それに、中村のキックが相手に当たって2点目となったけど、あれは逆サイドのスペースをうまく使ったからこそ生まれた必然の形だったと言える。
ブラジルに勝ったことは素晴らしいよね。でも、手放しで喜べる内容だったかと言われると、決してそうじゃない。
後半の戦いぶりは見事だった。だけど、前半はカタール・ワールドカップのドイツ戦やスペイン戦を思い出すような受け身のサッカーで、しかも、あの時とは違って2-0でリードされる厳しい展開だった。前半は相手にボールを持たせて引きすぎて、ただ待ち構えるだけ。もっと前からプレッシャーをかけて、ミスを誘発するべきだった。
後半は失うものがなくなって、攻めるしかなくなった。前からプレスをかけ、相手のミスを誘う。この姿勢こそが、本来あるべき姿だったはずだ。
試合が動いたのは、相手のミスキックを南野が拾って1点差に詰め寄った場面。あそこで2-1になったことでチーム全体に「行けるぞ」という雰囲気が生まれて、勢いがついたのは間違いないよ。もちろん勝利に運はつきものだけど、ビハインドになってからようやく攻め始める姿勢は、今後の大きな課題として反省すべきだろうね。
個々のプレーに目を向けると、堂安のパフォーマンスは圧巻だったよね。攻守にわたって彼のプレーがチームを支えて、特に守備では決定的な場面で相手のチャンスを潰していた。
上田の3点目は、彼の持ち味である身体の強さとヘディング技術が存分に発揮された見事なゴールだったよ。それに、中村のキックが相手に当たって2点目となったけど、あれは逆サイドのスペースをうまく使ったからこそ生まれた必然の形だったと言える。
ブラジル側に油断があった可能性も否定できないよね。韓国に5-0で圧勝して、日本に対しても前半で2点先行したことで、どこかに気の緩みが生まれたのかもしれない。ボールは持っていたけど、韓国戦みたいな鋭さは影を潜めて、ヴィニシウスの個人技も鳴りを潜めていたからね。
でも、一番大事なのは、この1勝に浮かれてはいけないってことだよ。この勝利の前にメキシコに勝てず、アメリカに負けたことを忘れてはいけない。
それに、日本はドイツやスペインに勝っても、コスタリカに負けてベスト16の壁を越えられなかった歴史を背負っている。「たまに強豪に勝つ」という文化から抜け出して、安定して勝ち続けるチームを目ざすべき時なんだよ。
大金星に沸くのは今日まで。明日からはまた兜の緒を締めて、次の戦いに備える必要がある。
怪我人が多いなかで掴んだ勝利は大きな収穫だけど、チームの真価が問われるのは、主力が復帰してから。彼らが戻った時、このチームが強豪相手にどんなサッカーを見せるのか。来年3月にはイングランド戦が行なわれるという噂もあるよね。そこでヨーロッパの強豪と渡り合う経験こそが、日本サッカーを次のステージに導く試金石になるはずだ。
【著者プロフィール】
セルジオ越後(せるじお・えちご)/1945年7月28日生まれ、80歳。ブラジル・サンパウロ出身。日系ブラジル人。ブラジルではコリンチャンスやパウリスタなどでプレー。1972年に来日し、日本では藤和不動産サッカー部(現・湘南ベルマーレ)で活躍した。引退後は「さわやかサッカー教室」で全国を回り、サッカーの普及に努める。現在は解説者として、歯に衣着せぬ物言いで日本サッカーを鋭く斬る。
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でも、一番大事なのは、この1勝に浮かれてはいけないってことだよ。この勝利の前にメキシコに勝てず、アメリカに負けたことを忘れてはいけない。
それに、日本はドイツやスペインに勝っても、コスタリカに負けてベスト16の壁を越えられなかった歴史を背負っている。「たまに強豪に勝つ」という文化から抜け出して、安定して勝ち続けるチームを目ざすべき時なんだよ。
大金星に沸くのは今日まで。明日からはまた兜の緒を締めて、次の戦いに備える必要がある。
怪我人が多いなかで掴んだ勝利は大きな収穫だけど、チームの真価が問われるのは、主力が復帰してから。彼らが戻った時、このチームが強豪相手にどんなサッカーを見せるのか。来年3月にはイングランド戦が行なわれるという噂もあるよね。そこでヨーロッパの強豪と渡り合う経験こそが、日本サッカーを次のステージに導く試金石になるはずだ。
【著者プロフィール】
セルジオ越後(せるじお・えちご)/1945年7月28日生まれ、80歳。ブラジル・サンパウロ出身。日系ブラジル人。ブラジルではコリンチャンスやパウリスタなどでプレー。1972年に来日し、日本では藤和不動産サッカー部(現・湘南ベルマーレ)で活躍した。引退後は「さわやかサッカー教室」で全国を回り、サッカーの普及に努める。現在は解説者として、歯に衣着せぬ物言いで日本サッカーを鋭く斬る。
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