日本人選手の海外移籍ラッシュが続いている。需要の高まりを象徴していると言えるだろう。

　中でも世界最高峰のプレミアリーグ、２部でありながら屈指の競争力を誇るチャンピオンシップへの参戦が増えているなか、英紙『The Guardian』が「『新たな市場』：イギリスのクラブがアジアから選手を獲得する傾向が強まっている背景」と題した記事を掲載。名古屋グランパスでも監督を務めた稀代の名将の“予言”を交え、次のように伝えている。

「アーセン・ヴェンゲルは2013年に、世界で最も急速に成長する人材の宝庫の１つを先見の明で指摘した。『非常に興味深く競争の激しい新たな市場として、日本の市場に注目している。例えばドイツでプレーする日本人選手の数を考えてみてくれ』と述べたのだ。そして今、イングランド。高井幸大がトッテナムの一員になり、バーミンガムは日本人選手をさらに２人（古橋亨梧と藤本寛也）加え、（岩田智輝を含めて）３人体制となった。

　日本代表のキャプテンで、リバプールのMFである遠藤航はファンに『ワールドカップ優勝を目指す時が来た』と語っている。日本サッカー協会は長年2050年までの優勝を目標に掲げてきたが、現在ではやや野心不足に感じられる。来年のベスト８進出、2030年までに準決勝進出、そして優勝を目指す話が出ている。ブライトンの三笘薫のような才能や、日本のユース育成システムが世界有数である点を考慮すれば、驚くべき話ではない」
 

　同紙はまた、「多くの面で先駆者となった」パク・チソンや、韓国の日韓ワールドカップでの４強入りに触れた上で、「20年以上が経った現在、韓国と日本の選手たちはピッチ上でその価値を示している」と説明。そして、こう締め括った。

「新戦力が加わる際、『ユニホームが極東で売れる』というコメントはまだあるが、過去と比べて遥かに少なくなっている。特に日本はサッカー界で力強い存在となり、イングランドでもますます存在感を増している」

　サムライ戦士は、世界で一目置かれる存在になっているようだ。その価値をより高めていきたい。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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