大量点は取れなかったけど、それは相手のレベルが上がっただけ
日本代表は7月12日、東アジアE-1選手権の第2戦で中国に2-0で勝利した。
この結果は、大会が始まる前から分かりきっていたこと。ハプニングのない、実に分かりやすい試合だったね。
これで日本と韓国がともに2連勝で、次の日韓戦が事実上の決勝になる。何の驚きもないシナリオだね。初戦の香港より中国のほうがしっかりしたチームだったけど、試合を通して、日本がすごく困るという場面はなかったんじゃないかな。
もちろん、相手にシュートチャンスがなかったわけじゃない。攻め込まれる時間帯もあったし、ゴールキーパーに助けられた決定的な場面が2回ぐらいあった。最初のピンチで決められて1-1になっていたら、どうなっていたか分からない。ただ、試合全体をコントロールできていたし、大きく脅かされたというイメージはなかったね。
香港戦のように大量点は取れなかったけど、それは相手のレベルが上がったから起きる当然の現象。もっと圧倒しないとダメだという声もあるかもしれないけど、そこまでの心配はしていないよ。
得点シーンを振り返ると、細谷の先制点は綺麗な形だった。ただ、ほかの選手に目を向けると、例えば原は思ったよりもまだ身体が細いなという印象を受けた。ゴール前での怖さがもっと出てくるといいね。
それから、久しぶりに代表で出場した長友。彼にしてみれば、楽な試合だったんじゃないかな。試合後には本人も「もっと自分のレベルを上げないと」という趣旨のコメントをしていたようだけど、まさにその通り。今回の相手は中国。世界が広いのは彼自身が一番よく分かっているはずだよ。
この結果は、大会が始まる前から分かりきっていたこと。ハプニングのない、実に分かりやすい試合だったね。
これで日本と韓国がともに2連勝で、次の日韓戦が事実上の決勝になる。何の驚きもないシナリオだね。初戦の香港より中国のほうがしっかりしたチームだったけど、試合を通して、日本がすごく困るという場面はなかったんじゃないかな。
もちろん、相手にシュートチャンスがなかったわけじゃない。攻め込まれる時間帯もあったし、ゴールキーパーに助けられた決定的な場面が2回ぐらいあった。最初のピンチで決められて1-1になっていたら、どうなっていたか分からない。ただ、試合全体をコントロールできていたし、大きく脅かされたというイメージはなかったね。
香港戦のように大量点は取れなかったけど、それは相手のレベルが上がったから起きる当然の現象。もっと圧倒しないとダメだという声もあるかもしれないけど、そこまでの心配はしていないよ。
得点シーンを振り返ると、細谷の先制点は綺麗な形だった。ただ、ほかの選手に目を向けると、例えば原は思ったよりもまだ身体が細いなという印象を受けた。ゴール前での怖さがもっと出てくるといいね。
それから、久しぶりに代表で出場した長友。彼にしてみれば、楽な試合だったんじゃないかな。試合後には本人も「もっと自分のレベルを上げないと」という趣旨のコメントをしていたようだけど、まさにその通り。今回の相手は中国。世界が広いのは彼自身が一番よく分かっているはずだよ。
無失点に終わったけど、それはゴールキーパーの早川のファインプレーが大きかった。1対1の場面を止めたし、シュートを胸で受けたシーンもあった。彼の活躍がなければ、結果は違っていたかもしれない。
また、この大会で気になっているのは、観客の少なさ。地元韓国の試合ですらあまり入っていないという話だし、今回の中国戦もガラガラだった。日本と韓国はともに国内組だけで、サッカーファンは目が肥えているから、メンバー構成を見れば試合のレベルがある程度分かってしまうのかな。
もっとお客さんが「見に行こう」と思ってくれるような、魅力的な試合をしないと。もしお客さんが入らないのであれば、この大会をずっとやり続ける必要性があるのか、という疑問が出てくる。結局、この大会は東アジアのレベルアップというより、日韓戦をやるために仕掛けられたもの。そういう側面が強いんじゃないかな。
そして次の韓国戦が、この大会のクライマックス。東アジアにおいて、日本と韓国はずっとライバルとして競い合ってきた歴史がある。先にワールドカップに出て、プロリーグを作り、海外で活躍する選手を輩出していったのは韓国のほう。日本はずっとその後ろを追いかけてきた。そういう歴史が、この2チームの間にはある。
お互いに2連勝して、最高の形で最終戦を迎えられる。これまでの2試合よりもレベルの高い、見ていて「面白かった」と思える試合を期待したい。
暑さのなかで、韓国戦は日本にとっては中2日という厳しい日程だけど、ターンオーバーでフレッシュな選手も出てくるだろう。どっちが勝つにしても、ファンを納得させる好ゲームを見せてほしいね。優勝してもパレードがあるような大会ではないけど、ライバルにはきっちり勝って締めくくってもらいたいよ。
【著者プロフィール】
セルジオ越後(せるじお・えちご)/1945年7月28日生まれ、79歳。ブラジル・サンパウロ出身。日系ブラジル人。ブラジルではコリンチャンスやパウリスタなどでプレー。1972年に来日し、日本では藤和不動産サッカー部(現・湘南ベルマーレ)で活躍した。引退後は「さわやかサッカー教室」で全国を回り、サッカーの普及に努める。現在は解説者として、歯に衣着せぬ物言いで日本サッカーを鋭く斬る。
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もっとお客さんが「見に行こう」と思ってくれるような、魅力的な試合をしないと。もしお客さんが入らないのであれば、この大会をずっとやり続ける必要性があるのか、という疑問が出てくる。結局、この大会は東アジアのレベルアップというより、日韓戦をやるために仕掛けられたもの。そういう側面が強いんじゃないかな。
そして次の韓国戦が、この大会のクライマックス。東アジアにおいて、日本と韓国はずっとライバルとして競い合ってきた歴史がある。先にワールドカップに出て、プロリーグを作り、海外で活躍する選手を輩出していったのは韓国のほう。日本はずっとその後ろを追いかけてきた。そういう歴史が、この2チームの間にはある。
お互いに2連勝して、最高の形で最終戦を迎えられる。これまでの2試合よりもレベルの高い、見ていて「面白かった」と思える試合を期待したい。
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【著者プロフィール】
セルジオ越後(せるじお・えちご)/1945年7月28日生まれ、79歳。ブラジル・サンパウロ出身。日系ブラジル人。ブラジルではコリンチャンスやパウリスタなどでプレー。1972年に来日し、日本では藤和不動産サッカー部(現・湘南ベルマーレ)で活躍した。引退後は「さわやかサッカー教室」で全国を回り、サッカーの普及に努める。現在は解説者として、歯に衣着せぬ物言いで日本サッカーを鋭く斬る。
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