サポーターから愛された生え抜きは、憎まれてクラブを去ることになるのか。

　５月10日に行われたプレミアリーグ第36節のアーセナル戦で、リバプールのトレント・アレクサンダー＝アーノルドが、本拠地アンフィールドの一部サポーターからブーイングを浴びせられた。

　アレクサンダー＝アーノルドは先日、契約が満了する今季限りでの退団を明らかにした。プレミアリーグやチャンピオンズリーグでの優勝をはじめ、数々のタイトル獲得に貢献し、黄金期メンバーの一員となったユース出身の生え抜きだが、レアル・マドリー移籍が有力視されている。

　67分から途中出場したアレクサンダー＝アーノルドに、一部ながらブーイングが浴びせられたことに、同僚や識者は心を痛めている。

　英公共放送『BBC』によると、クリス・サットンは「今日よりもっと敬意を払われるにふさわしい。何を間違ったというのだ？　彼はすべてのトロフィーを勝ち取り、異なる挑戦を望んでいる」と話した。

「リバプールのすべてのファンではなかったが、ブーイングされたのはショッキングだったし、恥ずべきものだった」

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　OBのダニー・マーフィーは、「ネガティブなリアクションもある程度予想していたし、その理由も分かるけど、これほどだとは思っていなかった」と述べている。

「こういう終わり方は悲しいと思う。でも、彼は大人で、決断をした。常に全員を満足させることはできない。彼は顔を上げ続けなければいけない」

　やはりレジェンドのジェイミー・キャラガーは、英衛星放送『Sky Sports』で「これだけのリアクションには監督もショックを受けたと思う」と語った。

「彼にとってリバプールでのラストゲームかもしれない。だが、トレントに不満なら、コナー・ブラッドリーの名前を歌えばいい。選手にブーイングすべきじゃない」

　元イングランド代表のリオ・ファーディナンドは、Xで「リバプールのファンが自分たちの選手にブーイングするなんて信じられない」と投稿している。

「彼の決断に不満がある人もいるのは分かる。でも、あれだけの勝利を収めてきたトレントにブーイングなんて不可解だ。まったくコストがかからなかったのに」

　選手はキャリアの過程で様々なことを考慮しなければいけない。クラブに対する愛情だけで決められるものではないだろう。だが、何よりもクラブを愛するがゆえに、感情的に受け入れがたいというサポーターもいる。アレクサンダー＝アーノルドは、ブーイングをどのように受け止めたのだろうか。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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