どれほどテンションが高まる試合でも、越えてはいけない一線がある。

　４月６日、プレミアリーグ第31節でユナイテッド対シティのマンチェスター・ダービーが行なわれた。試合はスコアレスドローに終わったが、シティのジョゼップ・グアルディオラ監督は試合後、フィル・フォーデンに対するユナイテッド・サポーターのチャントを批判している。

　米スポーツチャンネル『ESPN』によると、フォーデンは交代時に母親に関する侮辱的なチャントが浴びせられた。グアルディオラはこれに対し、「品格を欠いた。だが、ユナイテッドのことじゃないよ。その人々（サポーター）だ。分かるだろう？」と話した。

「我々はサッカーの世界でとてもスクリーンに映し出されている。監督も、オーナーも、そして特に選手もね。正直、フィルの母親を巻き込む人たちの気持ちが分からない。品位、品格の欠如だ。恥ずべきだよ」

　サッカーに限らず、ファンが相手チームをからかい、挑発することは少なくない。だが、相手の家族を侮辱する行為が許されないのは言うまでもない。グアルディオラは選手に対する暴挙が許せなかったのだろう。自身も数々の侮辱を受けてきたからかもしれない。

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　今季、グアルディオラ率いるシティは、近年にない苦戦を余儀なくされた。この日のドローで、プレミアリーグの６位アストン・ビラには１ポイント差に迫られている。今季のプレミアリーグはトップ５が来季のチャンピオンズ・リーグ出場権を得られる見込みだが、シティはその座を失う恐れがある。

　しかし、その可能性を問われると、グアルディオラは「何もなしだ」と強調した。

「大事なのは次のクリスタル・パレス戦だけだ。我々は今後の試合に備えていく。いくつか満足できたこともあるが、今はチャンピオンズリーグ出場権獲得という目標を達成しなければならない。それから、次のシーズンのことは次のシーズンだ」

　シティは欧州最高峰の舞台への切符を逃す事態を回避できるか。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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