FIFA（国際サッカー連盟は）は現地７月27日、パリ五輪に出場しているカナダ女子代表チームから勝点６を剥奪すると発表した。さらにチームを率いたベブ・プリーストマン監督とふたりのスタッフに１年間の資格停止処分を下し、カナダ・サッカー協会に20万スイスフラン（約3500万円）の罰金を科している。
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　もちろん対象となった「看過できない違反」は、ドローンによるスパイ行為だ。カナダはグループステージ初戦で戦うニュージーランド女子代表がトレーニングを行なうなか、そのサンテティエンヌの上空にドローンが飛ばして偵察。ニュージーランド・オリンピック委員会（NZOC）はすぐさま警察に通報し、ドローンを操縦していたカナダ女子代表のスタッフがその場で身柄を拘束された。

　カナダ側は事実を認めて、NZOCおよびニュージーランド・サッカー協会に謝罪した。そのうえで、調査を進めていたカナダ・オリンピック委員会（COC）は非公認だったアナリストとアシスタントコーチの２名をチームから除外して帰国させたと発表。この非公認スタッフがドローンで練習の様子を撮影したという。そしてカナダ・サッカー協会はプリーストマン監督に対して職務停止を決定していた。

　緊急事態のなか、カナダ女子代表はニュージーランドに２－１で勝利した。だが今回の裁定によって６ポイントが剥奪されるため、勝点は「－３」となる。FIFAは「プリーストマン監督とアシスタント両名は攻撃的な行為と、フェアプレーの原則に違反した責任を取らなければならない」と説明した。
 

　英公共放送『BBC』もこのニュースを取り上げ、「FIFAがカナダ女子代表と指導者たちに厳罰を下した」と伝えつつ、「カナダ・サッカー協会にはCAS（スポーツ仲裁裁判所）に提訴する権利がある」とその可能性を示唆した。

　東京五輪で金メダルを奪取した強豪が風雲急を告げている。グループステージの残る２戦はフランス、コロンビアが相手だ。準々決勝進出を果たすためには、３連勝を飾るほかなさそうだ。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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