川崎フロンターレは４月８日、公式ホームページで「川崎フロンターレをご支援いただいているすべての皆様へ」と題して声明を発表した。

　５日に等々力陸上競技場で行なわれたルヴァンカップのグループステージ第３節・浦和レッズ戦（０－０）の試合後に、サポーターがスタンドで以下のメッセージが書かれた横断幕を掲示して、意思を示していた。

「地域密着は後回し。功労者は次々と辞めていく。吉田、富士通体制の事業方針はこのままでいいのか？」「PwCさん、地域から愛されるフロンターレへ導いてください」「どんな時も俺たちは鬼木フロンターレを後押しし続ける」

　そのなかで、吉田明宏社長がコメントを発表。日頃の支援への感謝と、横断幕による心配に対して「ご心配をおかけしており大変申し訳ございません」としたうえで、メッセージに対しての回答を、このように表明した。

「地域貢献活動は、クラブ創設以来、フロンターレが長年にわたって積み重ねてきた活動であり、クラブの存在意義にも関わる非常に重要な活動でもあります。

　しかし、ここ数年、新型コロナウイルスの影響で、地域の皆さんとの交流が希薄になっていたことは否めません。コロナ禍の制限された環境でも私たちなりに進めていたつもりではありましたが、どこかで慢心やコロナ禍だからという甘えがあったかもしれません。改めて振り返ってみると、ここ数年の活動には反省すべきがあると考えています」
 

　また、地域貢献活動を新しい段階に進めたとする一方で、「商店街をはじめ、地域の皆さんとの連携や交流については、私たちスタッフが直接足を運び、地域の皆様と交流を図る機会が少なくなっていることで、その影響が今回ご指摘にありましたタペストリー（応援旗）の取り替え、試合告知ポスターの更新の遅れなどとして顕在化してしまったものと認識しております」として、改善を誓った。

　さらに、海外事業については、ベトナムやタイでの活動を紹介。そして、社員の退職に関しては、以下のように説明した。

「会社としては苦渋の決断ではありますが、双方合意の上での円満退社となっております。スポーツビジネスは、まだまだ成長段階にあります。家族のことや将来を描いた際に、転職という選択肢をとる者が多いのも事実です。地域の皆様と向き合うのと同じように、従業員にも誠心誠意向き合い、環境改善等にも着手していきたいと考えております」

　今回の一件を受けて、「私自身もさまざまなことに気付かされました。不退転の決意でこの職を受けたわけですが、どこかで今までの自分のやり方、考え方にこだわっていた部分もあったかもしれません」と反省の意を示す。

　そして、「ご指摘いただいたことを真摯に受け止め、これまで以上に川崎の街に寄り添ったクラブであり続けられるよう活動してまいります」と決意を表した。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

【PHOTO】雨に濡れながら必死の声援を送った川崎フロンターレサポーター

【PHOTO】ついに“マスク着用要請”が終了！等々力に集結した川崎フロンターレサポーターを特集！

【PHOTO】next三笘輩出へ！川崎フロンターレがU-18以下の育成拠点「フロンタウン生田」をオープン！