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清水戦で2得点に絡んだ関根貴大。リカルド・ロドリゲス監督の“申し子”と言える活躍ぶりだった【浦和】

カテゴリ:Jリーグ

郡司 聡

2022年07月17日

「これが最後になっても仕方がないぐらいの気持ちでやっていました」

清水戦で好パフォーマンスを披露した関根。2ゴールに絡んだ。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

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 アウェーの清水戦。関根貴大はこの試合に賭けていた。

 起用されたポジションは左サイドハーフ。リーグ戦で先発した前回の20節・京都戦は、左SBでの出場だったため、リーグ戦では17節の名古屋戦以来となる左サイドハーフ起用を本人は意気に感じていた。

「今日はチャンスでしたし、気持ちが入っていました。これが最後になっても仕方がないぐらいの気持ちでやっていましたから」

 目下売り出し中であるサイドアタッカーの大久保智明が欠場するなか、関根にとっては、自身の価値を示す千載一遇のチャンスだった。

 42分、関根はゴールシーンに絡んでみせた。左サイドの背後のスペースを突く明本考浩にパスを通し、明本のクロスが反対サイドに流れるなか、その間、関根はスルスルと右サイドまで顔を出す。こうして関根はダヴィド・モーベルグからのパスを引き出すと、右足を一閃。鋭いシュートは相手GKの権田修一に阻まれたが、こぼれ球を松尾佑介がゴールに押し込んだ。貴重な先制シーンを関根はこう振り返る。

「アキ(明本)は仕掛けるタイプではないので、自分がどちらかというとワイドに開いて、アキを上手く使うことを意識していました。そのなかでアキが良い形で裏に抜け出して、ボールがこぼれてくるかなと予測しているなかで反対サイドまでボールが流れてしまいましたけど、その後ポジションを取り直したことで、デビッド(モーベルグ)がしっかりと見ていてくれたのでボールがきたかと思います」

 さらに終盤の73分、右サイドに人数を掛けた浦和が関根のパスを起点にコンビネーションプレーで清水の最終ラインを突破すると、江坂任のクロスを明本がヒールで流し、相手のオウンゴールを誘発。一連の連係プレーにも絡んだ関根は「全員が動き直して、流れる形で最終ラインを突破できたし、きれいなゴールだった」と納得の表情を見せた。
 
 関根は80分に途中交代でピッチを去ったが、その活躍ぶりは2度の得点シーンに絡んだだけにはとどまらなかった。特筆すべきは攻撃から守備へ切り替えた際のボールアプローチにおける抜群のスピード感と強度。関根はピッチ上の誰よりも、ボールを失った後の切り替えに迫力があった。66分、スピーディなネガティブトランジションで相手のカウンターの芽を摘んだ場面は、代表的なシーンだろう。

 また明本が相手にとって危険なスペースを突くきっかけを作り、自らのシュートが先制点につながった場面に象徴されるように、関根は相手を見ながら、ワイドにポジションを取ることが効果的と判断すれば、その選択をすることが多かった。このように、相手を見て判断を変えながらサッカーをすること、2列目の選手にトランジションの強度を求めることは、まさにリカルド・ロドリゲス監督が標榜するチームスタイル。実際にピッチ上で表現している関根は、浦和における重要なファクターだ。その点で言えば、徳島時代にも指揮官と共闘した岩尾憲がリカルド・ロドリゲス監督の良き理解者ならば、関根はリカルド・ロドリゲス監督の“申し子”と言えるのではないだろうか。

「関根選手が一番リカルド監督のサッカーを体現している選手なのでは?」

 そう報道陣から問われると、関根は「そう言っていただけるのはありがたいですね」とまんざらでもない様子を見せつつ、こう言葉を続けた。

「それは自分が意識していることですし、この1年半近く、自分のプレースタイルを変えながらやっています。でも、それによって自分の良さがなくなってしまってもいけないなと感じている難しい時期でもありますね」

 清水戦も2ゴールに絡んだとはいえ、直接的に結果を残せたわけではない。それだけにレギュラー奪回に向けた手応えは「全然ない」と首を横に振る。指揮官の掲げるコンセプトを忠実に実践できているという自負がある一方で、コンセプトの表現を追求するあまり、相手をドリブルで抜き去っていくような自分の良さがなかなか出せていないことに葛藤があるのは否めないだろう。それでも、ピッチに立てば最低限の責任は果たす。それが“関根貴大”という男の流儀である。

取材・文●郡司 聡(フリーライター)
 
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