オランダ発!サッカーIQを「見える化」するデジタルソリューション「NeurOlympics」とは?

2021年10月20日 伊藤 亮

成長を促進する革新的ツール

オランダのBrainsFirst社が開発した「NeurOlympics(ニューロオリンピックス)」の認知診断テストを行なう育成年代の選手。写真提供:共同通信デジタル

 今、世界のサッカーは様々なテクノロジーで溢れている。それらが我々の知らないところで、サッカーの進化に大きく貢献している。

 将来を見据え、持続的に取り組み続ける必要がある育成面にも、革新的なテクノロジーが出現している。オランダのBrainsFirst社が開発した「NeurOlympics(ニューロオリンピックス)」だ。

 選手の脳を分析し、隠れた能力を見える化することで、欧州では実際に結果を出してきた。そして、このテクノロジーが日本に上陸した。NeurOlympicsとは、いったいいかなるものなのか――。

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 現在、国際サッカー連盟(FIFA)には211の国と地域が加盟している。この数字は、他スポーツはおろか、国際連盟加盟国よりも多いことは有名な話だ。サッカーは、地球上で最も普及しプレーされているスポーツと言える。

 それだけの人気と規模を裏付けるように、サッカーは日々進化している。個々のスキルやテクニックやメンタルはもちろんそのトレーニング法から、チーム戦術、育成、クラブ運営といった組織マネジメントまで。取り巻くすべての分野で新たな方法論が次々と生み出されている。

 一方で、サッカーの進化とは別物だが、まるで呼応するかのように目覚ましい進化を遂げているのがデジタル技術だ。そしてこの両者がかみ合うことで、さらに進化は加速していく。

 たとえばGPS機能。たとえばAI技術。EUROやワールドカップなど大規模な国際大会が開催されるたび、スーパースローやスパイダーカムで斬新な映像を中継できるようになり、選手のトラッキングデータやパスの本数と成功率が即座に表示されるようになった。VARはジャッジにも変革をもたらした。大規模な国際大会でなくとも、Jリーグでは近年、ベルギーのダブルパス社が開発した『フットパス』というシステムで、クラブの育成組織をスコア評価する手法を取り入れている。

 現在、サッカーに活用されるデジタルツールは数え切れないほど存在し、ワールドサッカーの中心地である欧州では様々なアプローチで次々と結果を出している。

 将来サッカー選手として世界に羽ばたきたい夢を抱くサッカー少年少女たちは、いったい何をどう取り組んでいったらいいのだろう。この問題意識に、株式会社共同通信デジタルのスポーツデータ事業部が目を付けたのが、オランダのBrainsFirst社が開発した「NeurOlympics(ニューロオリンピックス)」というデジタルソリューションだ。
 

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