【五輪後の日本代表スタメン&序列予測】興味が尽きない“Wトップ下”。人材不足の左SBの候補者は?

2021年05月26日 河治良幸

大迫との序列を覆す一番手は鈴木武蔵

河治氏が予測する東京五輪後の森保ジャパン

 今年9月にはカタール・ワールドカップ・アジア最終予選が始まる。東京五輪を終えたU-24世代との本格的な融合が進むなかで、A代表に組み込むべき人材は誰か。そしてスタメンの顔ぶれ、各ポジションの序列はどのようになるか。

 五輪後の最終予選を見据え、森保ジャパンの新陣容について、河治良幸氏に予想してもらった。

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 3バックのオプションもあるが、布陣は現状メインの4-2-3-1を採用した。基本的なレギュラーは最終予選の初めの段階では大きく変わらないと考えられる。理由は、日本サッカ―協会と森保一監督が「1チーム2カテゴリー」というコンセプトでやってきて、東京五輪世代のA代表への組み込みがおおよそ済んでいるから。

 まず序列を突き崩すとしたら、ミャンマー戦に招集されているU-24の選手たちだろう。CBとボランチを兼任する板倉滉は筆頭株だが、オーバーエイジで東京五輪に参加する吉田麻也が健在で、同じU-24の冨安健洋も盤石であるため、コンディションの上下がない限り、9月の時点で突き崩すまでは難しいか。

 1トップから見ていくと、大迫勇也の地位は揺るがない。ブレーメンでは2列目をやったり、なかなか代表のような持ち味を発揮できていないが、完勝した3月の韓国戦で改めて存在価値を証明した。ただ揺るがないなかで攻撃の中心として、さらに良い環境でプレーできるかどうかは、最終予選ひいてはカタール・ワールドカップの本番にも関わる。
 
 2番手は今回の代表で招集から外れた鈴木武蔵。理由は明確で、ベルギーでのシーズン後半戦は怪我に悩まされて実力を発揮できておらず、森保監督もそこを考えて招集を見送ったはず。タフな環境の中で怪我に強くなっていくことも大事だが、1トップとして札幌時代には無かった強さを身に付けているのも事実で、大迫との序列を覆す一番手だろう。

 ただ、上記のリストからは外しているが、本来はベルギーリーグで日本人FWとしては出色の結果を出している鈴木優磨がおり、得点だけでなく日本人では大迫の次にポストプレーがうまい選手でもある。彼が欧州で価値を上げるほど、いやがおうにもファンから注目されるだろう。

 浅野拓磨に関してはサイドのマルチであることも含めて有力候補だが、現在は所属クラブが無い状況で、来シーズンのプレー環境が序列にも影響してくる。逆転の可能性があるとすれば前田大然だろう。ラージグループの筆頭にいると考えている。東京五輪でさらに存在価値を高めて欲しい一人だ。

 ただし、FWに関しては結果が占める割合が強く、U-24に選ばれている4人(前田、上田綺世、林大地、田川亨介)に限らず評価を一変させるチャンスがあるポジションだ。今回の合宿から外れたことで東京五輪が難しくなった選手たちも、最終予選での大逆転に向けて国内外でアピールしてもらいたい。
 

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